白鵬が七月場所で30回目の優勝を達成した。これまで
30回以上優勝したのは大鵬と千代の富士のみである。そこ
で同じ30回でも白鵬の到達スピードは大鵬・千代の富士
より早いのか遅いのか、30回に到達した時点での勝率
ナンバー1は誰か。初優勝から30回優勝まで、白鵬を
位置づけをしてみた。なお、年齢別優勝は2014年3月13日
■春四日目常勝白鵬の優勝回数を推論するを参照して
いただきたい。
■初優勝から30回目の優勝までのデータ
3横綱 10回目の優勝 20回目の優勝 30回目の優勝 勝利 敗北 休場 勝率
白鵬 18場所目 33場所目 49場所目 637 83 15 8割8分5厘
大鵬 15場所目 34場所目 52場所目 582 93 105 8割6分2厘
千代の富士24場所目 37場所目 55場所目 626 104 95 8割5分8厘
初優勝から10回目の優勝こそ大鵬がリードしたが、20回目、
30回目は白鵬がトップである。それだけではない。初優勝
から30回目の優勝までの勝率もトップである。1場所13.28
勝という驚異の数字である。
大鵬・千代の富士の数字はけして見劣りするものでは
ない。大横綱にふさわしい値である。白鵬は2人の先輩
横綱を超えている。まさに超人的である。その要因は
なんといっても白鵬の休場の少なさにある。これほど
休場の少ない横綱は珍しい。
超人白鵬にとって32回の最高優勝回数は単なる通過点に
すぎない。では36回はどうだろうか。36回という数字は
年2場所時代の12回優勝の双葉山が年6場所なら36回
優勝できたという理窟から出た数字である。もちろん
これは単なる数字の遊びにすぎない。年6場所になれば
ケガの対処が難しくなる、体力の消耗が激しく、限界が
早くきてしまうというマイナス面があるので、双葉山が
年6場所で何回優勝できるかというのは誰にもわからない。
大鵬が引退したとき、年6場所時代の申し子として、
連覇、優勝回数は破れないのではといわれた。連覇は
すでに破れた。白鵬は前人未到の道を進まんとしている。