大相撲

■名6日目 自滅の両横綱

2014年7月19日

「いくら素質があっても2年修行しただけの者が、5年
修行した者に勝つのは難しい」と言ったのは栃錦である。
大砂嵐は実際は今場所序ノ口以来14場所目にあたり、約
2年半になるので正確には栃錦の言葉はあてはまらない。
とはいえ、初の上位戦で日馬富士にとっさの引き落としで
勝利した。前日の鶴竜に続き横綱戦に連勝した。早くも
2つ目の金星となった。

140717五日目幕内 1300
<五日目 大砂嵐に敗れた鶴竜>

金星とは平幕が横綱に勝つことである。関脇・小結は
横綱に勝っても金星とはいわない。また、平幕でも反則
勝ちや不戦勝は対象外となる。金星は力士の報奨金と
して10円加えられる。報奨金とは年6回、月給とは別に
十両以上の力士が本場所の成績を規準にして受け取る
ことができるマネーである。勝ち越しは1点につき0.5円
だから、金星は勝ち越し20点分に相当することになる。
平幕が15戦全勝するより上回っているのである。なお、
実際支給される金額は10円ではなく、4000倍される。

さて、大砂嵐の初の横綱戦は見事だが、気になる部分が
ある。それは鶴竜にしても日馬富士にしても自滅したの
ではないかと思える節がある。鶴竜がみせた立ち合いの
変化、これは心の弱さの表れではないか。相手の力を避け
ようとした。それは取りも直さず、大砂嵐への恐れである。

日馬富士は鋭く突っ込んで立ち合い勝ちした。一気に前へ
出たのだが、心に余裕がなくあわてたために引き落としを
くう結果になってしまった。

こうみてくると大砂嵐の横綱戦は鶴竜・日馬富士の自滅
という印象が強い。本来横綱が強さを発揮すれば問題は
ないわけだが、大砂嵐を意識しすぎたとしか思えない。
対戦することはわかっているのだから、稽古で相手を
知り尽くすこともできたはずである。これで、白鵬が
大砂嵐にどうのぞむかがぜん興味深くなった。
140718六日目幕内 1326
<日馬富士、大砂嵐に不覚>

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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