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■名6日目 自滅の両横綱

「いくら素質があっても2年修行しただけの者が、5年
修行した者に勝つのは難しい」と言ったのは栃錦である。
大砂嵐は実際は今場所序ノ口以来14場所目にあたり、約
2年半になるので正確には栃錦の言葉はあてはまらない。
とはいえ、初の上位戦で日馬富士にとっさの引き落としで
勝利した。前日の鶴竜に続き横綱戦に連勝した。早くも
2つ目の金星となった。

140717五日目幕内 1300
<五日目 大砂嵐に敗れた鶴竜>

金星とは平幕が横綱に勝つことである。関脇・小結は
横綱に勝っても金星とはいわない。また、平幕でも反則
勝ちや不戦勝は対象外となる。金星は力士の報奨金と
して10円加えられる。報奨金とは年6回、月給とは別に
十両以上の力士が本場所の成績を規準にして受け取る
ことができるマネーである。勝ち越しは1点につき0.5円
だから、金星は勝ち越し20点分に相当することになる。
平幕が15戦全勝するより上回っているのである。なお、
実際支給される金額は10円ではなく、4000倍される。
さて、大砂嵐の初の横綱戦は見事だが、気になる部分が
ある。それは鶴竜にしても日馬富士にしても自滅したの
ではないかと思える節がある。鶴竜がみせた立ち合いの
変化、これは心の弱さの表れではないか。相手の力を避け
ようとした。それは取りも直さず、大砂嵐への恐れである。
日馬富士は鋭く突っ込んで立ち合い勝ちした。一気に前へ
出たのだが、心に余裕がなくあわてたために引き落としを
くう結果になってしまった。
こうみてくると大砂嵐の横綱戦は鶴竜・日馬富士の自滅
という印象が強い。本来横綱が強さを発揮すれば問題は
ないわけだが、大砂嵐を意識しすぎたとしか思えない。
対戦することはわかっているのだから、稽古で相手を
知り尽くすこともできたはずである。これで、白鵬が
大砂嵐にどうのぞむかがぜん興味深くなった。
140718六日目幕内 1326
<日馬富士、大砂嵐に不覚>

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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