幕内中位に下がった遠藤が1勝4敗と序盤苦戦をして
いる。相手が遠藤を研究しているという見方がある。
なにしろ、遠藤にかかる懸賞が半端でないだけに相手が
目の色を変えてくるのも当然である。かつて同じように
懸賞が多かった力士に高見盛がいた。みな高見盛との対戦
を望んだものである。
<○千代大龍対遠藤>
<○千代大龍対遠藤>
もうひとつは遠藤が頭打ち、つまり成長に陰りが見えて
きたというのだ。このままでは大関だって難しいとする
見方が出てきている。ここまで満員御礼を増やし、お姫様
だっこをしたり、パネル写真を登場して相撲人気を支えて
きたが、力士の世界は実力で測られる。
学生出身で唯一横綱になった輪島は蔵前の星といわれたが
そんなに高い評価をされていたわけではない。学生出身で
初の大関になった豊山より低かった。胸は薄く、体重がなく、
相撲が小さくまとまっているというのである。だが、輪島
はそんな専門家の見方を覆してしまった。
横綱になった輪島評を紹介しよう。すり足、あごが上がら
ない、腰を落として攻めるなど基礎ができている。攻撃
から防御、防御から攻撃へと相撲の流れにリズムがある。
投げをうつときの体の開きは天才的。羽黒山の堅実さと
安芸ノ海のうまさをあわせもつ、などなど。
遠藤とて悲観することはない。場所はまだ10日間ある。
栃錦は7連敗8連勝の記録をもつ。今の遠藤に必要なのは