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かくありたい立ち合い

五月場所12日目の1敗同士の決戦白鵬対稀勢の里戦に
対して気になる内容が目に付いた。この一番は稀勢の里
が2度つっかけて3度目に立った。相撲は白鵬の速攻で
一気に寄り切った。
この3度目の立ち合いについて日刊スポーツは次のように
伝えている。(稀勢の里が)右手を仕切り線30センチ
手前についた。左手もついた。だが白鵬が立たない。
左手を引き、重心を後ろに戻しかけた。その瞬間、鋭く
立った相手に合わせるように立ってしまった。
ほかのスポーツ紙でも両者の立ち合いを神経戦、稀勢の
里は自分の呼吸で立てなかった。3回目稀勢の里は中途
半端に立った。稀勢の里は心理戦で勝負の甘さ露呈。
と書かれている。この立ち合いに釈然としないものが
残った。
立ち合いはどうあるべきか。5月20日■夏9日目 熱戦賞
の制定で手はつくものではなく、腰を割れば自然とおりる
ものだと書いた。補足するならあごを引き、下から上に
上目づかいに立ち、相手の重心をおこすようにあたる。
最近は立ち合いの変化にばったりいく相撲が目立つ。
立ち合いの変化で勝負がきまると観客からはため息が
出る。力と力の激突を期待していたらあっさり勝負が
つくことへの落胆の表れである。変化する力士を非難
する声はあるが、あっさりくう力士の非難は少ない。
これは実におかしな話で変化に対応できない力士もどうか
しているし、やるほうよりもくうほうが悪い。上目づかい
に下から上に立ち、相手の重心をおこすようにあたれば
下には落ちないのである。くわなければ誰も変化しなく
なる。変化に対応できる立ち合いをしない限り、土俵の
充実はない。
また、立ち合いは白鵬対稀勢の里戦に見られるような
駆け引きをするものではない。大正の横綱栃木山は「立ち
合いは同時に立って速く攻めろ」と語っている。双葉山は
相手が立てばいつでも立てる立ち合いをした。このことを
本人は「1日のうち10分だけ(昭和戦前は仕切り制限時間
10分で時間前に立つことがあった)集中すればいいん
です」とこともなげに語っている。ずるいほどうまい立ち
合いはあってはならない。
<写真は白鵬と稀勢の里の立ち合い>
140522十二日目幕内 1216立ち合い

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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