大相撲

■夏8日目 遠藤はどこまで出世するか

2014年5月19日

遠藤が大関稀勢の里に対して立ち合いすばやく左四つ
相手に上手を与えないいい体勢をつくった。くい下がらん
とするも攻め手に欠け、稀勢の里の圧力に屈して正面
土俵下に転落した。この日のお客さんから「今日は
稀勢の里-遠藤戦で燃え尽きたな」という声が聞こえた。
それほど注目され、相撲ファンをわかす遠藤はどこまで
出世するか考察してみよう。

学生出身でよくいわれることは学生時代ある程度相撲が
完成してしまうという点である。つまり、伸びしろが
さほどないということである。実は学生とプロ入り後
では大いに異なる点がある。それは学生が、学業のかた
わら部活動として鍛錬するのに対し、プロは本業として
稽古に取り組む点である。だから、学生が卒業する22歳
までに横綱になる者さえいる。遠藤の力はどこまで伸びる
か。遠藤の相撲は理にかない粘りがある反面、前へ突進
するパワー相撲を克服できていない。まだ成長の余地は
ある。ただ、体重はこれ以上必要ない。プロとして、
猛稽古をすることだ。

学生出身で大関になった力士は豊山、朝潮、武双山、
出島、雅山、琴光喜といるが横綱になったのは輪島一人で
ある。輪島を横綱にした要素は何か。それは一言でいえば
ここ一番の勝負に強かったことである。そして勝ちに
もっていく過程がうまかった。大関から横綱になった北の
湖はよく同じ手で輪島に負けていた。北の湖が優勝した
ときさえ輪島に負けていた時期があった。

さて、遠藤はどこまで出世するか。遠藤は大関は期待
できる。これほどファンを熱くする力士ゆえ、期待に
応えてもらいたい。しかし、そこから先は未知数である。
東富士は言った。「大関は一芸あればいい。しかし、
横綱は一芸ではだめだ。二芸必要だ。」
<写真は一月場所の優勝パレード 優勝白鵬(右)旗手遠藤>
140126千秋楽表彰 582八日目用
 

 

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denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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