七月場所、横綱豊昇龍は1勝3敗と負けが込んで途中休場に追い込
まれた。若元春、安青錦、阿炎と平幕に敗れ、金星を配給する結果
となった。3力士は勝つべくして勝っている。豊昇龍の負けは取り
こぼしとはいえない内容だった。

こうした豊昇龍をみてほかの対戦力士はどう思うか。自分も勝てる
かもしれない。自分にもチャンスはあるかもしれない。金星が獲得
できるかもしれない。自信をもって豊昇龍に向ってくる。
それは高安であり、王鵬であり、関脇の霧島である。また熱海富士
であり、平戸海でもある。弱さにつけ込み、豊昇龍はねらいうちに
される。まさに豊昇龍包囲網である。
一方、豊昇龍には包囲網を突破するだけの力量がない。横綱だけど
横綱の力量がない。それを横綱にしたのは横審・協会の判断の誤り
である。豊昇龍は何倍も稽古し続けなければつぶされる。本来横綱
はどこからいっても大丈夫の域で初めてなれるもの。

豊昇龍は猛げいこするしか道はない。日々精進し、自信をつけるし
かない。綱の重さにつぶされないくらいの地力をつけることである。
横綱栃木山は言う。「大関は関脇・小結の倍稽古しろ。横綱は大関
の倍稽古しろ」