新会場IGアリーナで迎えた初日もついに千秋楽を迎えた。おそら
く誰も予想できなかった展開で迎えた。チケットは早々と完売した。
大相撲の加熱は誰が優勝するかわからない点にある。さて千秋楽は
どうなったか。
2敗琴勝峰か3敗安青錦か。優勝の行方はこの一番にかかっていた。
大歓声のなかで立ったが、勝負は一瞬で決まった。決まり手は突き
落としであった。この瞬間琴勝峰の初優勝達成となった。あまりの
早さにあっけにとられた。

琴勝峰はどんな力士か。新入幕は令和2年七月場所である。十両落
ちが2度ある。幕内在位は25場所。三賞は今場所を入れて殊勲賞1
回、敢闘賞2回である。期待のホープだったが、なかなか活躍でき
ず埋もれてきた。
現在25歳で琴栄峰は実弟である。今場所の2敗は藤ノ川と御嶽海に
よるものである。上位戦は横綱大の里、関脇霧島、小結高安、筆頭
安青錦に勝利している。また草野にも勝っている。琴勝峰の優勝で
相撲界はどう変わるか、変わらぬか。来場所が見物である。
優勝が決まったあと3敗草野が、高安と対戦した。観客の見る目は
違うものになったが、力士にとっては1勝でも多く勝ちたい。草野
は高安のパワーに圧倒された。よもやの新入幕優勝とはいかなかっ
た。しかし、今場所の奮闘が評価され、敢闘賞・技能賞のダブル受
賞となった。

大の里対琴櫻の横綱大関戦は、観客は冷めた目でみてしまう。ただ、
大の里にとっては10勝で終わるか、11勝で終わるかは大違いである。
相撲は大の里が寄り切って11勝をあげた。琴櫻は8勝で終わった。
今場所の横綱・大関は計20勝16敗でほめられた成績ではなかった。

慣れない新会場だったが、感触はつかめた。ただ、帰るときはわざ
わざ遠回りにさせる手法には閉口した。