元白鵬の宮城野の退職が決定した。6月9日付で協会を離れること
になる。4月に週刊誌報道で辞めると書かれた。そのとき元白鵬は否
定した。それは本心だったかもしれない。

しかし、五月場所後も宮城野部屋復活の話は出なかった。身を寄せ
ている伊勢ヶ濱(元旭富士)部屋に変化が予定されている。伊勢ヶ
濱は7月初めで定年退職し、照ノ富士が部屋を継承することになる。
照ノ富士は両国に土地を購入したという情報が流れている。元白鵬
が今のままだと新米親方照ノ富士のもとで親方修行を続けることに
なる。それは屈辱であり、協会退職の最大の理由にあげられている。

元白鵬はいい弟子に恵まれている。伯桜鵬、今度入幕が予想される
草野、十両を狙える天照鵬、聖白鵬、炎鵬などである。彼らの心情
を思うと断腸の思いである。それでも元白鵬は協会を去らざるを得
なかった。浅香山(元魁皇)部屋の移籍が考えられたが、部屋の方
針として学生出身と外国人は取らないという。
今になって浅香山部屋で預かるとか期限は十一月場所までという話
が出てきている。だが、元白鵬はそれでも思いとどまらなかった。
貴乃花の突然の協会離脱といい、元白鵬の退職といい、八角(元北
勝海)体制は何か人を追い込む体質があるのか。裁判で期間をいわ
ない判決はない。協会のあいまいさが招いた結果である。

現在元横綱の親方は現役名でいうと北勝海、大乃国、旭富士、武蔵
丸、鶴竜、稀勢の里、照ノ富士の7人しかいない。大鵬が引退した
とき元横綱の親方は11人いた。大鵬を加えて元横綱の年寄は12人と
なった。歴代理事長は元力士では横綱8人、大関2人、平幕1人で
ある。やはり協会の顔は元横綱が圧倒的に多い。元大乃国、定年を
迎える元旭富士に理事長の目はない。
元白鵬は今後外から相撲発展に取り組むという。それが具体的に何
を意味するかまだわからない。宮城野は元旭富士が継いで再雇用と
なる。それにしても元白鵬が協会を去るのは残念でならない。