◆三賞獲得11回
栃ノ心 殊2敢6技3
栃ノ心は2つの時期に分けられる。その分岐点はケガで4場所休場
が続き、番付を幕下まで下げたときである。休場は平成25年七月場
所から始まった。そのとき栃ノ心の復帰記録は奇跡的であった。幕
下2場所連続優勝、十両2場所連続優勝、合計4場所連続優勝で幕
内に戻った。平成26年十一月場所のことである。
栃ノ心は平成20年五月場所に入幕した。翌年から3年連続敢闘賞を
受賞した。平成24年、25年は三賞の空白期であった。ここまでは三
賞が11回獲得できるとは思えなかった。
ところが前述した平成26年十一月場所の幕内復帰で敢闘賞に輝いて
いる。平成27年敢闘賞、平成28年五月場所技能賞を獲得した。五月
場所10日目、蒼国来相手に吊り出しをみせている。平成29年は三賞
に無縁だったが、平成30年は様変わりした。
一月場所、思いがけず初優勝を成し遂げた。このとき同時に殊勲賞
と技能賞をダブル受賞した。9日目、御嶽海を吊り出している。翌
三月場所殊勲賞、さらに五月場所敢闘賞・技能賞に輝き大関に昇進
した。三月場所の殊勲賞は優勝鶴竜に勝っての評価である。このこ
ろの栃ノ心が最も充実していた。
大関昇進後は成績が振るわず、関脇に降格した。翌場所10勝で復帰
した。だが、再度関脇に降格した。関脇以下の幕内に20場所在位し
たが、三賞を獲得することはもうなかった。令和5年五月場所、最
後は十両で引退した。