七月場所が始まった。初日は幸い危険な猛暑とはい
かず、霧雨がいくぶんあったほどであった。
先場所優勝した大の里は新関脇として登場した。対
戦相手は番付を成績以上に大きくアップした御嶽海
である。御嶽海はここのところ気力に欠ける相撲が
目立つ。この勝負大の里の楽勝かと思ったが、意外
な展開になった。当たって下から攻めていく御嶽海
に大の里は上体が起き西土俵をあっけなく割った。
大の里の1敗はどう影響するのか、しないのか。2
日目以降が気になる。
角番大関貴景勝は明生を押せず、攻め込まれ正面土
俵を割った。近くの観客の声が聞こえた。「貴景勝
には元気な体で相撲を取ってほしなあ。でもほかの
力士だって完璧な体ではないものなあ」貴景勝は、
先行きが暗転とさせる相撲内容であった。
豊昇龍は熱海富士に、琴櫻は大栄翔に敗れ初日早々
の黒星スタートとなった。相変わらず心許ない大関
である。栃錦は初日に負けて3回優勝している。大
鵬の45連勝(誤審でストップ)は初日負けた翌日か
ら始まった。豊昇龍、琴櫻はそこまでの境地にいく
ことはあるのか。
先場所の初日、横綱・大関は全敗した。5敗である。
琴櫻は大栄翔に敗れている。今場所も二の舞か、い
やな予感がした。
照ノ富士は出場に踏み切った。対戦相手は新小結平
戸海である。相撲は照ノ富士が攻め切れず、上手も
取れず苦戦した。だが、無理攻めをせず、辛抱した。
上手を引くや万全の体勢で寄り切った。最悪の大関・
横綱全敗はなんとかまぬがれた初日であった。