優勝は14日目照ノ富士に決まった。だが、大相撲に
消化試合はない。混迷の時代優勝はほとんど12勝3
敗だった。たまに13勝2敗があった程度である。
照ノ富士は14勝1敗のハイレベル優勝を達成できる
か。答は限りなくイエスに近い。対戦相手が不調の
大関貴景勝だからである。そしてその通りの結果に
なった。照ノ富士の攻めに貴景勝後退。最後は照ノ
富士が押し出した。
これが照ノ富士苦手の大栄翔なら緊張感が違った。
五月場所照ノ富士対大栄翔が実現しなかったのは痛
恨の出来事だった。取組編成のお粗末さはけして消
えない。
9勝大栄翔は10勝若元春と対戦した。大栄翔が勝て
ば10勝-12勝-10勝で3場所連続2ケタ勝利を達成
する。若元春が勝てば11勝-11勝となり、来場所は
大関をかける場所になる。相撲は、大栄翔の突き押
しがすばらしく、若元春を押しまくり追撃し完勝し
た。
大関昇進を確定している11勝霧馬山。対戦するのは
10勝の豊昇龍。豊昇龍の気力が勝って最後下手投げ
で決めた。霧馬山は11勝4敗で終わった。
次の大関争いは始まっている。ただ、11勝をあげた
豊昇龍は三賞受賞とはいかなかった。12勝で終わっ
た朝乃山も三賞には無縁だった。同時に照ノ富士に
勝てない霧馬山、豊昇龍、若元春の中で誰が打倒照
ノ富士を果たすのか。興味は尽きない中で五月場所
は終了した。