五月場所特に注目されているわけではないが、気に
なる力士がいる。場合によっては思わぬ活躍をする
可能性を秘めている。そんな4力士をピックアップ
してみた。
■豊昇龍
来たる五月場所で8場所連続関脇・小結在位である。
これだけ定着しているのだから、実力者には違いな
い。それでいて大関の声はかからない。2ケタ勝利
は2場所で、決め手に欠けているとしかいいようが
ない。小結・関脇で三賞は1回しかない。これでは
物足りない。
今のような混迷の時代なら優勝争いをしてもおかし
くない。それでいてどこか決められない物足りなさ
を感じる。豊昇龍にたちふさがるのは次の力士であ
る。
照ノ富士0勝6敗
貴景勝 2勝7敗
高安 1勝7敗(不戦敗含む)
若隆景 3勝6敗
翠富士 2勝5敗
霧馬山・宇良とは五分である。彼らとの対戦で勝利
することが不可欠である。
■大栄翔
10勝-12勝ときた大栄翔だが、大関の声は霧馬山に
隠れているせいかそれほど大きくはない。理由の1
つが一月場所で前頭筆頭だったことである。対戦相
手は小結・関脇と変わらないし、過去には昇進例が
豊山、魁傑2度目の大関昇進のときなどである。だ
から大栄翔にチャンスがないわけではない。
大栄翔は来たる五月場所で25場所連続上位である。
ここまで197勝160敗1コロナ不戦敗2コロナ部屋ご
と休場である。優勝1回、殊勲賞5回、技能賞2回
の実績がある。大栄翔は29歳である。これが最初で
最後のチャンスになるかもしれない。
■琴ノ若
琴ノ若は昨年七月場所成長をみせたが、その場所は
コロナ部屋ごと休場に襲われた。それ以降目立った
活躍はない。最近は物足りない琴ノ若が目立ってき
た。なにか脱皮できないままの琴ノ若がいる。この
ままうもれるのはあまりに惜しい人材である。
■阿炎
出場停止後の幕内復帰で9場所経過した。下位で優
勝争いをし、中位で優勝も達成した。それでいて関
脇で負け越したり、全休したりして決定打に至らな
い。阿炎の突き押しは威力があり、幕内復帰後大関
貴景勝には5勝1敗である。同じく横綱照ノ富士に
は2勝2敗である。阿炎の潜在能力は大変なものが
ある。阿炎がフルに力を発揮できれば相撲は一段と
面白くなる。