テーマは「現代最強力士は誰か」だが、通常なら番
付通りなのである。だが、横綱照ノ富士は休場続き
だし、ひざを手術した後遺症も心配である。なによ
り休場後、土俵感覚がすぐには戻らない。さらに、
31歳という年齢的な面が懸念される。
それでは大関貴景勝かというとそう単純にいかない
点が混迷の時代である。貴景勝が最強ならもっと優
勝してもおかしくない。優勝の顔ぶれが変わるなか
でたった1回しか優勝できていない。ここ1年で56
勝26敗8休である。毎年休場があるのも気になる。
7場所連続関脇の若隆景はどうか。若隆景が初優勝
したのはちょっとだけ遠い昔になってしまった。そ
の後2けた勝ったのは1場所である。三月場所は7
勝7敗1休で、五月場所は関脇の座を明け渡すこと
になりそうである。ここ1年は、52勝37敗1休であ
る。
7場所連続上位で勝ち越した力士がいる。三月場所
優勝した霧馬山である。7場所連続上位勝ち越しの
なかに4場所2ケタ勝利がある。実は貴景勝もここ
1年で4場所2ケタ勝利がある。霧馬山はここ1年
6場所で58勝32敗とトップの成績である。
豊昇龍も7場所連続上位勝ち越しである。8場所前
の11勝は幕内中位であってカウントしていない。関
脇には霧馬山より先にあがった。ここ1年は54勝36
敗で、1場所平均9勝である。
現代最強力士は霧馬山といってさしつかえない。た
だ、抜群の強さではない。紙一重であるし、変動も
あり得る。