横綱・大関休場のなか、優勝争いは激しさを増して
きた。残念ながら現時点では関脇陣は蚊帳の外であ
る。むろん、今後の展開次第では 3敗優勝が視野に
はいることは十分あり得る。
8日目、1敗の高安がまず登場した。対戦相手は3
勝4敗の平戸海である。この時点で堅くなる要素は
ない。しかし、相撲は、平戸海が食いついて高安を
寄り切った。高安は連敗で優勝戦線から一歩後退し
た。
全勝翠富士は碧山と対戦した。碧山は、破壊力はあ
るが、不利な体勢になるとあっさり負ける面がある。
この一番は後者になった。翠富士が離れての攻防か
ら食いつく体勢をつくった。じわじわ寄って、最後
正面土俵に寄り切った。翠富士はストレートで勝ち
越した。9日目の対戦は上位ではなく、宇良である。
いささかがっかりする取組編成である。
1敗大栄翔は2敗阿炎と対戦した。サバイバル戦で
ある。阿炎は先手を取って果敢に攻めたが、引きが
災いした。大栄翔の逆襲に押し出された。大栄翔は
1敗を守った。阿炎は3敗となり、一歩後退した。
最後は2敗同士のサバイバル戦である。若元春対正
代である。勝負は、正代の速攻の攻めが、若元春を
粉砕した。正代の速攻、出足はすばらしかった。今
場所は粘りをみせ、強い正代が復活した。正代がこ
のまま勝ち続けると興味深い存在になる。
8日目を終えて、全勝翠富士、1敗大栄翔となった。
両力士は10日目に激突させていただきたい。いつも
後手にまわる取組編成だが、今場所は、大関はいな
い。関脇陣はもう一つである。早めの対戦で三役リ
ーグ戦が失われることがないことを切に願う。