この日、照ノ富士は連敗中の玉鷲との対戦で
あった。3度目の正直で照ノ富士が勝つか。
それとも2度あることは3度あるになるのか。
答は後者だった。それも玉鷲が思い切って
突っ張ると照ノ富士は何もできずに後退。
あっさり東土俵を割った。これまでと同じ
パターンでまたしても敗れた。
そこには工夫や対抗策はなかった。この一番
は照ノ富士のもろさを浮かびあがらせた。
横綱がこうも平幕玉鷲に手も足も出ない負け
方を続けると横綱の権威にかかわる。四つ
相撲では照ノ富士にはまず勝てない。突っ
張り、突き押し相撲ならそうはいかない。
そういう相撲が取れるのは大栄翔、玉鷲、
阿炎といる。
横綱になってから大栄翔には2勝3敗である。
玉鷲には1勝3敗である。阿炎には1勝1敗
である。阿炎との対戦は今場所まだ組まれて
いない。照ノ富士は天敵を増やしすぎている。
それも突っ張り、突き押し相撲をまったく
克服できないでいる。
照ノ富士は負けて4勝2敗となった。負けた
相撲内容が悪すぎる。優勝のレベルは12勝3
敗あたりになるのか。11勝4敗だともはや
優勝とは呼べない。単なる1位に過ぎない。
五月場所の行く末が心配になってきた。
なお、先場所実現しなかった貴景勝対阿炎が
6日目組まれた。相撲は引き落としで阿炎が
勝った。貴景勝の押し相撲はまだ通用して
いない。 また、昨年十一月場所、今年の一月
場所で対戦が実現しなかった照ノ富士対正代。
三月場所実現しなかった御嶽海対正代、正代
対阿炎がまだ今場所残っている。実現でき
なかったら審判部は汚点を残すことになる。