引き続き4連続三賞受賞者をみていこう。
■保志 6連続受賞
保志は昭和58年九月場所、20歳で入幕した。
相撲は突き押しを中心とした。入幕3場所目
で小結、なおかつ上位に定着した。入幕9場
所目からは関脇・小結に定着するようになっ
た。若さあふれるスピード出世であった。
6連続三賞は関脇・小結に定着6場所目から
5場所かけての記録である。技能-技能-
殊勲・技能-敢闘-殊勲である。このあと
大関に昇進した。殊勲と技能のダブル受賞の
ときに初優勝している。昭和60年十一月場所
から61年七月場所までのことである。自己の
限界以上の力を発揮した。千代の富士ととも
に九重(元北の富士)部屋の黄金時代を築い
た。
■益荒雄 4連続受賞
差し身と速攻の相撲で白いウルフと呼ばれた
益荒雄。旋風をおこしたのは昭和62年三月
場所であった。このとき横綱千代の富士・
双羽黒、大関大乃国・朝潮・若島津を倒して
殊勲賞を受賞した。4連続三賞受賞の途中で
あった。昭和61年十一月場所から敢闘-技能
-殊勲-殊勲であった。ただ、このとき以外
の三賞は1回しかない。全盛期は短く、益荒
雄の三賞は集中型であった。
■霧島 4連続受賞
時代は平成に入った。霧島は入幕してから
上位で勝てない日々が続いた。入幕28場所目
の小結では1勝14敗と大敗している。これが
きっかけで霧島は肉体改造にはいった。筋肉
質の体をつくり、和製ヘラクレスと呼ばれた。
大敗から2場所後の平成元年五月場所、上位
で初めて勝ち越し、殊勲賞を受賞した。4連
続三賞はその年の十一月場所からであった。
技能-殊勲-殊勲・技能を受賞した。この後
霧島は大関に昇進した。
■琴錦 6連続受賞
強豪関脇琴錦の幕内生活は11年に及んだ。
そのなかで三賞を受賞しなかった年は入幕の
年4場所と引退の年ともう1回しかない。
つまり琴錦は8年間三賞を受賞してきたわけ
である。琴錦は平幕で2回優勝しているが、
6連続三賞受賞は優勝にからまないときで
あった。
それは入幕6場所目の平成3年五月場所から
から始まった。敢闘-殊勲-殊勲-敢闘・
技能-技能であった。琴錦といえばF1相撲
といわれるほどのスピード相撲だった。突き
押し、差し身がよく、出足とともに見る者を
魅了した。舞の海がフェイント気味の立ち
合いをしても委細かまわず土俵下へふっとば
した。技能賞が8回と最も多かった。
(この項目続く)