幕下の上位は十両を狙える地位である。だが
お互いに星をつぶし合うのだから、上位全員
が勝ち上がることはない。相撲は7番しか
ないのだからそこでは熱い戦いが繰り広げ
られる。
先場所惜しくも十両昇進がならなかった栃丸
は西筆頭に位置した。同じ春日野(元栃乃
和歌)部屋の菅野は大勝ちして東2枚目に
番付をあげてきた。先場所幕下優勝した西川
が東3枚目に達した。なお、西川は元豪栄道
の武隈部屋所属である。
栃丸と西川が1勝した後3日目に激突した。
相撲は激しい突き合いとなった。相撲が長引
きそうだったが、栃丸の突き落としが決まっ
た。西川戦を制した栃丸は快調。8日目まで
に4勝して勝ち越しを決めた。
初の幕下上位の菅野は3連敗と追い詰められ
た。西川も菅野戦の1勝後は3連敗と厳しい
状況となった。そんな中で星をあげてきた
のが北青鵬である。西5枚目、8日までで
3勝1敗である。また、東6枚目千代の海が
4戦全勝であった。
栃丸は9日目全勝同士で千代の海と対戦した。
この一番千代の海が勝って5戦全勝とした。
11日目には4勝1敗同士の栃丸対北青鵬が
実現した。元十両の北青鵬が勝って星をのば
した。
この間東筆頭千代嵐が4勝2敗と勝ち越しを
決めた。2敗は栃丸と北青鵬によるもので
ある。また、西川は 1勝3敗から連勝して
3勝3敗と五分にした。
そして運命の7番相撲を迎えた。13日目6勝
の千代の海は同じく6勝の金峰山と対戦した。
勝てば文句なしに十両入りである。だが、
金峰山の突きは威力があった。千代の海は
東6枚目6勝1敗で終わった。同じ日西川は
7番相撲を制し、4勝3敗東3枚目で結果を
待つことになった。東筆頭千代嵐は敗れたが
4勝3敗で十両入りが濃厚であった。
14日目西筆頭の栃丸は千代栄に勇んでいった
が、敗退した。それでも西筆頭4勝3敗と
十両昇進が有力視された。千秋楽西5枚目
5勝1敗の北青鵬は狼雅に敗れ、十両復帰は
難しくなった。
今日3月30日十両が発表された。千代嵐の
復帰と栃丸の新十両だけであった。当初十両
からは琴裕将、貴健斗、白鷹山、美ノ海の
4人が降格と思われていたので、意外な結果
であった。