★大相撲人気をどうみるか
大相撲はコロナ禍で観客数を5000人以下と
制限しながら、満員にならない日々が続いた。
十一月場所は悲惨だった。コロナ禍とは別な
面から捉えると、次世代のホープが見当たら
ない点があげられる。栃若時代に大鵬が出現
した。北玉のころには貴ノ花と輪島が登場した。
千代の富士のあとには曙、若貴が控えていた。
それがない今の時代は寂しいし、物足りない。
★十両以上の休場力士が少なかった
休場は栃ノ心、北青鵬、平戸海、出場停止の
朝乃山 4人と極端に少なかった。だからいつ
ものように取組数が極端に減少することが
なかった 。この点はよかった。
★優勝した照ノ富士について
全勝優勝は立派。相撲は安定している。5場
所連続12勝以上である。今場所は相手に攻め
られてももちこたえるだけの力をみせた。
四つにならなくても強さを発揮してきた。
当分は1強時代が続きそうである。場所前の
優勝候補は照ノ富士以外あげにくい現状が
ある。
★両大関に関して
貴景勝は12勝3敗の次点でよくやったといえ
る。自分の押し相撲がかなり発揮できた。
ただ、阿炎に負けたのはいただけない。下位
の好成績者に弱い大関のイメージがついて
まわる。正代はクンロクで終った。しかも
照ノ富士戦がない成績である。正代の低迷が
続いている。期待しにくい大関になってきた。
★取組編成について
照ノ富士対正代、貴景勝対御嶽海がなくなっ
た。下位の好成績者阿炎を貴景勝・照ノ富士
と対戦させたからである。「13日目では遅
過ぎる」これをキーワードにすれば上位の
取組をくずさないですむはずだ。同じ過ちを
繰り返す者を人は愚か者という。過去には
下位の好成績者を横綱・大関と対戦させなが
ら、上位の取組をそのまま実行したケースが
ある。それに学ぶべきである。
★優勝を争った阿炎に関して
貴景勝戦は相手を圧倒した。照ノ富士戦は
負けたが、見せ場をつくった。阿炎は出場
停止後幕下7戦優勝-7勝優勝-十両11勝-
13勝優勝、そして今回の活躍で阿炎は完全に
復活した。
★三賞について
殊勲賞なし、敢闘賞 隆の勝、阿炎、技能賞
宇良となった。阿炎は2つもらってもおかし
くないが、該当する賞がなかったというとこ
ろか。決まったら館内にも発表していただき
たい。また表彰式では相変わらずトロフィー
を渡していない。トロフィーを渡すところ
まで表彰式のはずだ。
★ほかに気がついた点
幕内の定員は42人である。それが定員割れの
41人となった。白鵬引退の意向は千秋楽の
翌日協会に示しているのだから、白鵬の名を
残すのは不自然である。それはいい。なぜ、
定員割れにしたのか。朝乃山の出場停止で
偶数になると読んだのか。基準をはっきり
させるべきだった。この件に関してはもや
もや感だけが残った。
★最後に場所の採点を
55点。貴景勝が下位の好成績者阿炎に負けた
のは大きなマイナス点。
やっと帰れました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。