貴景勝は十一月場所で大関通算14場所目に
なる。先場所はカド番だったが、3連敗スタ
ートでどうなるかと思ったが、なんとか8勝
までもっていった。貴景勝はどうも負け越し
が目立つ。大関で5度ある。このあたりが
何とも物足りない。きたる十一月場所、貴景
勝優勝争いの可能性はどれくらいあるのか、
探ってみた。
貴景勝が初優勝した場所は、2018年十一月
場所であった。貴乃花の協会離職によって
貴乃花部屋が閉鎖された直後であった。これ
まで優勝にからむことがなかっただけに、
突然の変貌であった。父子鷹の奮闘エピソー
ドや地元の加熱ぶりが報じられた。当時幕内
最年少だけに期待は大きかった。
これを足がかりに貴景勝は大関に昇進した。
しかし、勢いは止まった。大関2場所で降格
した。大関復帰をかける2019年九月場所は
御嶽海と優勝を争い、優勝決定戦まで進んで
いる。これが2度目の優勝争いであった。
優勝決定戦は一方的に敗れ、優勝を逃して
いる。
それから1年後の2020年九月場所、貴景勝は関
脇正代、新入幕翔猿と優勝を争った。13日目
正代と2敗同士で対戦した。貴景勝の突き押し、
いなしに正代が踏みとどまり、タイミングよく
突き落とした。結果的にはこの一番が大きく、
正代の初優勝となった。
翌十一月場所、優勝争いは、貴景勝が先行
した。千秋楽を迎え1敗は貴景勝、2敗は
小結照ノ富士だった。両者は千秋楽にぶつ
かった。本割は照ノ富士が組み止めて、貴景
勝を浴びせ倒した。優勝決定戦は貴景勝が
自分の相撲を取って、照ノ富士を押し出した。
貴景勝は2回目の優勝をなし遂げた。
2021年五月場所は逆の展開になった。この
とき照ノ富士は大関に再昇進した。千秋楽を
迎え照ノ富士2敗、貴景勝3敗で激突した。
本割はあたって突き落とした貴景勝が勝利
した。優勝決定戦は離れたなか、照ノ富士が
はさみつけて出てはたき落とした。
貴景勝は初優勝から先場所までの17場所中、
12勝以上が5度ある。優勝争い率29%である。
十一月場所優勝争いにからむ貴景勝が見られ
るのか。条件は取りこぼしをなくすことで
ある。
雨の日です。
興味深いテーマをこれからもお届けします。