千秋楽、注目は二番あった。まず3敗で優勝
圏内の妙義龍対7勝7敗で関脇を死守せん
とする明生戦であった。妙義龍ここまで上位
の強豪大関貴景勝、大関正代の2人を撃破
している。上位の強豪はこの二番だけである。
3敗は翔猿、阿武咲、輝からである。妙義龍
が明生に勝つ要素はどれくらいあるのか。
これまで述べてきたことから40%くらいと
みた。
相撲は両力士あたったあと明生が瞬時に体を
開いて肩すかしを決めた。明生の関脇死守に
かける執念が勝った。また上位で戦い続ける
明生と上位で勝ち越せない妙義龍の差となっ
て表れた。妙義龍は4敗となり、これで自動
的に照ノ富士の優勝が決まってしまった。
妙義龍の敗戦を残念がるファンの声・姿が
飛び込んできた。
もう一番は2敗の新横綱照ノ富士対大関の
面目丸つぶれの6敗正代戦である。この一番
に正直わくわく感はない。千秋楽結びの一番
としてはまことに物足りない対戦になって
しまった。責任はもちろん正代にある。正代
のふがいなさが招いた結果である。正代が
勝つ確率は数%しかない。
相撲は照ノ富士が左でまわしのいい位置で
取って、そのまま力強く寄り切った。優勝が
決まったあとも気を引き締めて有終の美を
飾った。13勝2敗で5回目の優勝。今年に
はいって3回目の優勝となった。大正15年に
優勝制度がスタートして以来新横綱の優勝は
7人目となった。
それにしても場所中、照ノ富士と妙義龍の
対戦はできなかったのだろうか。優勝を争う
2人が対戦なしではすっきりしないし、すれ
違いの優勝争いとなってしまった。この点が
なんとも物足りない感じを残しつつ九月場所
は終了した。
隣のマスは誰も来ませんでした。
興味深いテーマをこれからもお届けします。