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2021年九月横綱・大関に挑む12人のサムライ

宮城野部屋から新型コロナウイルスの感染者
がでたことで、部屋ごと休場になった。その
ため、陰性の白鵬も休場となった。先場所
全勝優勝した力士の休場で、豊昇龍との対戦
はなくなった。親子2代にわたる琴ノ若戦も
消えた。ちなみに白鵬が琴ノ若父と対戦した
のは2004年十一月場所と2005年一月場所で
ある。2度の対戦はいずれも白鵬が勝って
いる。このとき白鵬19歳、琴ノ若父36歳で
あった。

<七月場所全勝優勝した白鵬>

九月場所は1横綱2大関での開催になる。
大関の弱体もあり、かなり手薄の印象がある。
それでも関脇以下の上位力士は勝ち越すため
に避けては通れない対戦である。ちなみに
七月場所の上位力士の勝ち越しは御嶽海、
明生、隆の勝、逸ノ城、北勝富士の5人で
ある。横綱・大関に挑む12人のサムライの
ここ1年間の横綱・大関戦の成績は以下で
ある。なお、高安は元大関のプライドから
ここには加えなかった。

ここ1年上位にいた力士は4人いる。まず
御嶽海である。2020年九月場所は取組編成の
まずさから御嶽海対大関貴景勝戦が組まれ
なかった。大関戦は互角に近い成績を残して
いるが、もうひとつぱっとしない。三賞を
受賞するほどの活躍はない。このあたりが、
何とも物足りない。照ノ富士には5連敗中で
通用しなくなっている。それだけにこのあた
りで御嶽海ありを示していただきたい。

2人目は隆の勝である。五月場所は5勝10敗
で関脇の座を明け渡した。先場所は8勝と
戻してきた。七月場所は白鵬を最も追い込ん
だ。白鵬の後ろに一瞬つきながら、勝利が
惜しくも逃げていった。同部屋の貴景勝戦が
ないだけに有利である。意外なことに隆の勝
は三賞受賞が1回しかない。何か決め手に
欠けているとしか思えない。なお、十一月
場所は横綱・大関が休場したため、対戦が
なかった。

<隆の勝>

ここ1年すべて上位にいた力士の3人目は
北勝富士である。北勝富士は勝ち越しと負け
越しを繰り返している。ここ1年間の成績は
47勝43敗である。番付運もあり、関脇・小結
には1度もついていない。大関戦は4勝11敗
と勝てなくなってきている。九月場所は、
勝ち越し、負け越しは紙一重になりそうで
ある。

<北勝富士>

4人目は大栄翔である。ここ2場所は6勝、
5勝と負け越し、一月場所の優勝が薄れる
結果となっている。押し相撲はどうしても
波がある。型にはまり、リズムよく押して
いるときはいいが、ひとたびくるうと勝て
なくなる。九月場所は大栄翔のよさを発揮し、
存在価値を発揮していただきたい。

ほかに新関脇明生が面白い。上位で3場所
連続勝ち越し中である。きびきびした相撲は
魅力的である。特に4連敗中の照ノ富士戦は
どういう相撲を取るか。どういう工夫をみせ
るか。対戦は後半が予想される。眠れる巨象
逸ノ城は先場所上位で唯一10勝した。力は
あるのだろうが、土俵際ねばることはない。
物足りない逸ノ城が少なければ活躍できる。

<明生>

非常事態宣言の中で九月場所が始まろうと
している。

3代目若乃花が日刊スポーツ評論家として登場します。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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