三月場所、珍しく三賞は技能賞だけの複数
受賞となった。受賞した力士は若隆景と遠藤
である。遠藤は優勝を争った大関照ノ富士・
貴景勝を倒しているから殊勲賞、あるいは
殊勲・技能のダブル受賞でもよかった。遠藤
は4回目、若隆景は2回目の技能賞である。
現代は重量級大相撲全盛である。そのなかで
技能を発揮するのは簡単なことではない。
技の相撲は見ごたえがあり、巨漢を退ける
シーンは大相撲の醍醐味である。だが、炎鵬
は重量級大相撲に押しつぶされそうである。
翠富士もたちまち十両落ちとなった。現役で
技能賞を受賞した力士は、大関に昇進した
貴景勝・照ノ富士を別にすると大栄翔、碧山、
北勝富士2回、朝乃山、竜電、御嶽海2回、
栃ノ心3回、高安2回、玉鷲、妙義龍5回で
ある。
妙義龍の最後の技能賞受賞が平成25年だから
過去のことになりつつある。栃ノ心は3回
受賞しているが、あまり技能派のイメージは
少ないと思う。栃ノ心はときどき吊り出しを
みせたとき技能賞を受賞している。ただ、
最近の栃ノ心は衰えが目立ち始めている。
御嶽海は相撲にムラがあり、多くを期待でき
ない。大栄翔がリズムにのれば、押しの技能
が発揮され、手がつけられなくなる。
遠藤は久々の技能賞である。粘れる相撲が
まだ取れる。上位では勝ち越しと負け越しが
半々くらいだがら期待できる。七月場所は
前頭筆頭が予想される。連日横綱・大関戦が
組まれる可能性が高い。若隆景は長足の進歩
で強くなった。三月場所の高安戦は手に汗を
握る一番となった。大関にもかなり通用する
ようになった。若隆景の技能相撲が今一番
面白い。白鵬戦が実現すればかなりわきそう
である。
オオカミ少年を見ています。
興味深いテーマをこれからもお届けします。