「照ノ富士はこの1年間で3回優勝している
んだよ」師匠であり、審判長である元旭富士
の伊勢ヶ濱は口にした。照ノ富士は幕内に
復帰した昨年七月場所から今年(2021年)の
五月場所までの1年間確かに3回優勝して
いる。これは鶴竜・稀勢の里はなしえていな
いことである。師匠の旭富士、理事長の北勝
海もできなかった。照ノ富士の偉業であった。
成績は69勝19敗2休である。
序二段からの幕内復帰、そして大関復帰は
第一の奇跡である。横綱に昇進すれば第二の
奇跡である。その照ノ富士は果たして何回
優勝できるのだろうか。幕内復帰後の優勝率
は50%である。これが今後続くとは考えられ
ない。照ノ富士は幕内最強力士である、と
いっても絶対的強者ではない。
こうしたタイプ、近年では一時期の曙・朝青
龍がいる。曙は、貴乃花が対抗するまでの
短期間であり、朝青龍はすぐに横綱になり
優勝を独占していく。あまり参考にならない。
古くは群雄割拠の昭和24年から昭和32年まで
の最強は栃錦であった。この時期の栃錦は
初優勝から昭和32年までの優勝率は27%で
ある。現代は群雄割拠というよりどんぐりの
背比べに近いが。
照ノ富士は何歳まで現役でいられるだろうか。
日馬富士・鶴竜の最後の優勝は33歳であった。
照ノ富士は両ひざのケガをかかえている。
33歳ジャストまでは21場所ある。優勝率を
27%にするとあと5回から6回優勝できる
ことになる。トータル9回から10回優勝でき
ることになる。
しかし、そうはいってみたものの、こうした
ことはあくまで机上の計算に過ぎない。計算
外のことが起こりえる。稀勢の里は大ケガで
ついに2回優勝で終わってしまった。まこと
に惜しまれる。千代の富士は36歳直前まで
相撲を取ったが、横綱連続休場は引退した年
の1回きりだった。それが31回優勝につなが
った。照ノ富士は予想をこえるか、予想以下
で終わるか。今後の照ノ富士が回答を出す
ことになる。
東海の方から電話がありました。
興味深いテーマをこれからもお届けします 。