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石浦の出世街道

十一月場所新入幕を果たした一人に石浦が
いる。石浦将勝、鳥取県鳥取市出身、宮城野
(元竹葉山)部屋、170センチ、110キロ。相撲
は幼少期から取る相撲少年だった。名門鳥取
城北高校相撲部・日大相撲部出身の学生
相撲出の関取。といっても卒業後ブランクが
あってのプロ入門だった。なお、テレビで放送
されたが、父は鳥取城北高校相撲部の監督で
ある。
石浦の十両入りするまでの出世街道をみて
みよう。
石浦1A
十両までは12場所、2年で上がっている。
これはスピード出世といっていい。5年から
6年かかるのが普通である。日馬富士18場
所、白鵬16場所、鶴竜24場所、隠岐の海24
場所、勢38場所である。小兵であるため、技
の相撲であり、立ち合いから足取りにいった
こともある。
131124千秋楽十両幕下以下 484
131124千秋楽十両幕下以下 492
<上下平成25年十一月場所 達(後の輝)の
攻めをしのいで勝利した幕下時代の石浦>

150112二日目幕下以下 593
<平成27年一月場所2日目 錦木と物言いのつく
一番で勝利した幕下時代の石浦(向こう側)>
 

しかし、石浦は十両に上がってから苦労が
続いた。
石浦2A
入幕まで10場所かかった。隠岐の海は1度
幕下に陥落した場所を含めて6場所、勢は
2場所で入幕している。石浦の十両時代、
2ケタ勝利がない。そのかわり大負けもない。
成績は6勝から9勝で、負け越しは3回で
ある。
150312五日目十両 151
<平成27年三月場所5日目 土佐豊に下手投げを
きめた新十両石浦>
160914四日目十両 423
<平成28年九月場所4日目 北はり磨から豪快に
勝利 した石浦>
173センチ、86キロと石浦よりはるかに小さい
ながら、名人を超えて神様と呼ばれた力士が
いた。その力士は幡瀬川である。昭和初期
から戦前に活躍した力士である。武蔵山、男
女ノ川をはじめ大男が宙を舞う小股すくいは
さえ渡った。何が神様なのか。相手が小股
すくいで負けたことがわからないほどのさえ
なのである。
神様 幡瀬川
<神様 幡瀬川のブロマイド>
 
また、あっさり負けてはいけない。勝つのに
苦労させ、相手に厭なやつと思わせると次の
対戦では二分から三分トクがあると神様幡瀬
川は言う。小兵石浦の生きるヒントが、幡瀬
川にあるのではないだろうか。現代は、名人
はおろか技能派がいない。石浦には幡瀬川を
参考にした相撲を取って、さらに上位を目指し
ていただきたい。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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