プロ野球における判定はストライク・ボール、各ベースに
おけるセーフ・アウト、打球のフェア・ファール、ダイ
レクト捕球・ワンバウンド捕球、守備妨害・打撃妨害など
実に様々なところで発揮される。そして選手が判定に異議を
唱えたり、監督が抗議する場面が見られたりする。ただし、
それで判定が覆ることはない。
大リーグでは2014年から判定に疑問のときはチャレンジ
方式といって監督が6回までに1度、7回以降延長も含め
2度判定に異議を申し立てることができる。異議の判定を
スロービデオで判定できる。異議どおりの判定となった
場合、再チャレンジ権を得ることができる。ストライク・
ボールの判定は含まない。
大相撲では控え力士ならいざ知らず、取っている本人が
物言いをつけることはあるまいと思いきや、長い歴史の
中には実はあるのだ。
審判委員にクレームをつけた力士が二人いる。(昭和)
四十六年七月場所四日目、大寛に軍配が上がり、敗れた
栃桜が審判委員に物言いをつけ、審判委員協議の結果
取り直しとなった。また、同年十一月場所五日目、藤ノ川
に負けた大文字が物言いをつけたが却下されたケースが
ある。(大相撲おもしろ読本 香山磐根&相撲友の会
グループ著 日本実業出版社刊より)
<大相撲おもしろ読本
香山磐根&相撲友の会
グループ著 日本実業出版社刊>
朝青龍が取り組み中、審判長に足が出たと判断され、
けげんそうな顔をしたことはあった。白鵬の場合は
最終的に勝ってはいるが、場所後審判に物言いをつける
形となった。
ビデオ導入のきっかけとなった大鵬46連勝を目指した
戸田戦の審判誤審をどうとらえるべきか。行司は大鵬に
あげ、物言いがついた。控えの高鉄山は戸田の足が出た
と主張。記者は戸田はいい相撲を取ったが、足が出ちゃっ
たなと見ていた。しかるに審判は5対0で大鵬の負けと
判定した。
https://www.youtube.com/watch?v=5VEKCf0jjs0
より
大鵬は「あんな(物言いがつくような)相撲を取ったわし
が悪いんだ」と語った。大鵬が納得しているならどう
しようもないと考える向きもあるが、正しいと思った
ことを正しいと主張することは悪いことなのか。という
見方もある。しかもこの場合明らかに間違いは審判に
あった。それとも2月2日「発言者不明の審判部」に
書いたように協会にはものを言えぬ体質があるのか。
筆者は正しいことを正しいと主張するほうが正論だと
考えるが。