大相撲は体重制がないから面白いという。その反面、
「大相撲は体重制はありませんが、全員ヘビー級です」
というセリフは空手バカ一代(原作梶原一騎 漫画つのだ
じろう)という漫画にでてくる。
そこで各スポーツの体重の階級を調べてみるとプロボク
シングは90.718kg超がヘビー級である。柔道のオリン
ピックは100kg超が重量級である。ムエタイのプロはスー
パーヘビー級があるが、それでも95kg以上である。なる
ほど全員ヘビー級である。
引退した琴欧洲を除く三月場所の幕内力士をヘビー級
なりに分類してみる。
120kg台 里山
130kg台 日馬富士、松鳳山
140kg台 遠藤、嘉風、妙義龍、東龍、貴ノ岩、鏡桜
150kg台 白鵬、鶴竜、豪栄道、栃煌山、安美錦、豪風、
旭天鵬、北大樹、大砂嵐
160kg台 玉鷲、隠岐の海、高安、勢、宝富士、常幸龍
170kg台 琴奨菊、稀勢の里、千代鳳、千代大龍、照ノ富士
徳勝龍、舛ノ山
180kg台 栃乃若、魁聖、豊響、千代丸、富士東、天鎧鵬
190kg台 碧山、臥牙丸
200kg以上佐田の富士
130キロ台が平均体重だった時代、150キロは巨漢力士
だった。現代はまさに巨漢力士集団である。力と力、
土俵狭しと巨体がぶつかりあう。それはそれでいいのだが、
失われたものもある。つり出し、うっちゃり、水入りが
ほとんど見られなくなった。大味な相撲だけでなく、技の
相撲が見たい。栃ノ海、栃東、鷲羽山、旭国、若乃花勝、
舞の海ような相撲が。それはもはや求めることができない
過去の遺物となってしまうのだろうか。
<写真は臥牙丸>