場所がだんだん迫ってきた。注目の力士の一人に豊昇龍がいる。横
綱4場所中2場所が途中休場であった。それも明らかに負けがこん
での休場だった。これによって横綱の力量さえ怪しまれた。
ところが去る九月場所は13勝をあげ、優勝同点だった。優勝はでき
なかったが、成果は大きかった。まず、自信がついた。次に取りこ
ぼしが少なかった。優勝した一月場所でさえ、平幕に3敗した。そ
れからみたら格段に進歩した。

問題はこれが続くかどうかである。豊昇龍が本物になるには連続優
勝争いをするしかない。途中休場や優勝争い脱落は論外である。九
月場所よくても今度いい結果になる保証はない。
豊昇龍は優勝しなくてはならない事情がある。大の里は優勝5回で
ある。これに対し豊昇龍は2回である。優勝回数で後輩横綱に遅れ
を取っているのである。下手をしたら差を広げられる恐れさえある。

豊昇龍は十一月場所優勝できるか。豊昇龍が大の里に優位に立てる
点は二人の直接対戦である。優勝決定戦を含め、豊昇龍の7勝3敗
(不戦敗あり)である。豊昇龍が優勝する条件は大の里より先行す
ることである。先場所は土壇場で追いかけるカタチになった。最後
まで先行すれば豊昇龍の優勝率は高まる。