今年の年間最多勝が確定した。それが以下である。単なる数字の比
較ではなく、横綱・大関との対戦率によってクラス分けした。また
幕内在位6場所の力士を対象とした。
6場所幕内に在位した力士は29名である。幕内の定員は42名だから
69%が幕内を1年間維持したことになる。その中で年間を通して勝
ち越した力士は11人となった。なかなか容易でないことがわかる。
年間最多勝は九月場所まで大の里がトップであった。琴櫻に4勝差
をつけていた。1場所で逆転することは通常考えられなかった。だ
が実際はまさかがおこり、琴櫻が年間最多勝に輝いた。成績は66勝
24敗だった。優勝1回、優勝同点1回だった。
次点は最終場所9勝に終わった大の里であった。1勝差の65勝で終
わった。大鵬が新入幕の年あげた66勝を超えることはできなかった。
豊昇龍は休場がありながら61勝と1場所平均10勝以上の数字を残し
た。今後は優勝争いの場を増やしていくことである。
この1年6番以上取って、大関に勝ち越した関脇以下の力士が阿炎
である。これは快挙といっていい。大関にとって阿炎は曲者になっ
てきた。大の里は関脇以下のとき大関戦7勝5敗であった。照ノ富
士の休場が多く、対横綱戦が少ないのが今年の特徴であった。
混迷の時代は終えようとしているが、まだ完全とまではいかない。
今は過度気といっていい。終焉は力量抜群の横綱が誕生したときか
もしれない。