さる七月場所、角番大関貴景勝は一度も白星先行することなく、5
勝10敗で大関の座を明け渡した。13日目の照ノ富士戦で負け越しが
決定した。その後の貴景勝は勝ちへの執着が薄れたように見えた。
これは、大関降格規定が0勝から7勝まで同じ意味しかもたないこ
とによるものである。
最近はあまり言われなくなったが、大関は1場所おきに8勝すれば
維持できることになる。極端な話2場所8勝22敗で大関にいられる
ことになる。これが現行の大関降格規定である。これでは欠陥規定
といわざるを得ない。
それではどういう大関降格規定がいいのか。これまで以下をあげて
きた。
1. 6場所間に2度カド番
2.通算5度カド番
3.3場所連続10勝を割った場合
4.3場所合計29勝以下(休場場所は除く)
5.1と3の併用
これを改訂すると次になる。
1.1年間に2回負け越し
2.1案+通算5回負け越し
3.4場所間に10勝以上がない
4.3場所間に30勝未満
5.1と3の併用
1案、2案だと0勝から7勝は変わらないことになる。しかし、機
械的に関脇に降格するとは限らない。成績によって降格地位が決ま
るようにすればいい。貴景勝は2場所で5勝だから平幕でもいい。
従って、降格直後の10勝以上の復帰はない。4案は特に厳しい。し
かし、弱い大関ならいらない。
大関降格規定は東西合併以降から昭和32年まで。さらに昭和44年七
月場所以降2場所連続負け越しが続いてきた。金科玉条のごとく見
直しがされなかった。硬直性から柔軟性へ、頭を切りかえたほうが
いい。それが大関降格規定である。