暑さがやわらいできたなか、いよいよ九月場所が迫っ
てきた。上位に休場がない場合、横綱・大関との対戦
圏内は前頭3枚目の宇良までである。横綱・大関に
挑む関脇以下は12人である。12人のうち9人が七月
場所に続いての挑戦になる。
照ノ富士が横綱に昇進して1年が経った。この間照ノ
富士に勝利した力士が3勝の大栄翔・玉鷲である。
大栄翔は負けた相撲でもかなり照ノ富士を追い込んで
いる。玉鷲は突き押し相撲で3連勝したことがある。
照ノ富士が優勝した五月場所でもこの二人には負けて
いる。まさに天敵である。
2勝している力士が阿炎・明生である。阿炎は七月
場所の初日に対戦して勇んで出てくる照ノ富士をかわ
して勝っている。柳の下にどじょうはいるか。明生は
久々の上位である。照ノ富士に勝ったのは昨年の九月
場所と今年の一月場所である。そのころの力・技能は
戻っているのか。そこがポイントになる。
この1年、大関戦に勝ち越している力士が横綱・大関
の対戦圏内に3人いる。まず、8勝3敗の琴ノ若で
ある。大関に7連勝したことがある。ただ、貴景勝
には1勝3敗と分が悪い。先場所優勝した逸ノ城も
7勝4敗と大関に勝ち越している。貴景勝に3勝1
敗、正代に3勝2敗、御嶽海に1勝1敗である。3人
目が阿炎である。5勝3敗である。三月場所、大関
正代・貴景勝戦がないというハプニングがあった。
この1年上位ですべて勝ち越している力士が若隆景
である。横綱戦は勝ち星がなく、大関戦は5勝9敗
であるにもかかわらず勝ち越せたのは、着実に力が
ついてきた証である。関脇以下には9勝3敗-8勝
4敗-9勝3敗-11勝1敗とここまではよかった。
五月場所6勝5敗、七月場所7勝5敗と成績にかげり
をみせてきた。
豊昇龍は2ケタ勝つためには横綱・大関と互角の成績
を残さなければならない。九月場所、12人の挑戦者は
照ノ富士及び3大関にどのような相撲を展開するの
か。内容のある相撲を期待したい。