年寄は部屋に所属する。部屋持ちの親方と部屋付きの
親方になる。親方は協会の仕事に従事するだけでなく
一門から理事・副理事を輩出する重要な役割を担って
いる。一門別かつ現役の地位別の年寄構成が以下で
ある。現役の最高位と親方の能力は当然別である。
ここではあくまでも参考としてご覧いただきたい。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/08/年寄A-1024x566.jpg)
年寄は現在104人である。このなかに鶴竜親方が入っ
ているから、2つが使用されていない。北陣(遠藤
所有)と友綱(元魁輝所有)である。元横綱は鶴竜と
元白鵬の宮城野が加わっても7人しかいない。大鵬が
引退したとき、元横綱の親方は10人いた。若貴世代が
武蔵丸しかいなく、モンゴルでは朝青龍、日馬富士が
去っていったことが大きい。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/08/若-e1660885115190.jpg)
一門別では出羽一門が最も多い36人である。この中
には二所ノ関(元金剛)部屋出身の元大善の富士ヶ根
がいる。2013年部屋の閉鎖にともなって春日野(元
栃乃和歌)部屋に異例の移籍をしている。ちなみに
他の親方は一門内の松ヶ根(元若嶋津)部屋に移籍
している。貴乃花一門を貴乃花自らなくしたため、
行き場を失った立浪(元旭豊)が出羽一門に加わって
いる。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/08/旭豊A-e1660885603752.jpg)
二所ノ関一門は本家が消滅し、分家のみとなった。
30人の勢力である。そのほかに他の一門をルーツと
する部屋で構成されている。高田川(元安芸乃島)
部屋は高砂部屋をルーツとする元前の山の部屋を引き
継いでいる。常盤山(元隆三杉)部屋は春日野部屋を
ルーツとする元舛田山の千賀ノ浦部屋を継いでいる。
ほかに時津風一門の理事選出に不満を抱いていた錣山
(元寺尾)部屋と湊(湊富士)部屋が貴乃花一門を
経て加わってきた。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/08/金剛-e1660885139632.jpg)
双葉山が興した時津風部屋は立浪(元緑嶋)部屋の
分家であるが、意見の相違から別の道を歩むように
なった。時津風一門はほかに伊勢ノ海部屋と高砂部屋
をルーツとする井筒系の連合であった。これに立浪を
ルーツとする追手風(元大翔山)が考え方の相違から
伊勢ヶ濱一門から時津風一門に加わっている。18人の
勢力である。元双葉山の時津風理事長時代は部屋付き
の親方だけで12人くらいいたものである。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/08/双葉-山-e1660885159775.jpg)
高砂系は分家の消滅を繰り返し、いまや水戸龍一人の
錦戸部屋だけである。これに出羽海部屋をルーツと
する九重部屋とその分家の八角部屋だけという寂しさ
である。勢力も11人である。といっても八角(元北勝
海)理事長の座を脅かす要因はない。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/08/210328千秋楽表彰-126-e1660885173755.jpg)
伊勢ヶ濱一門は立浪系と元八甲山の高島系で構成され
ている。これに佐渡ヶ嶽部屋出身の元琴錦が元大受
から朝日山を譲られ、伊勢ヶ濱一門に加わっている。
勢力は11人と伸び悩んでいる。なお、元高望山の高島
は再雇用となった。元竹葉山の間垣も20日で再雇用と
なる。
年寄株はいつの世も入手に苦労する。千代の富士が
一代年寄を受けていれば一人助かったといわれた。
親方の解雇や急死がときには幸いするから皮肉な面が
ある。