まず、照ノ富士が大関復帰を果たした。さら
に復帰大関2場所で横綱に昇進した。これが
1年間でおこなわれた。照ノ富士は千代の
富士のように関脇から大関さらに横綱まで
1年で経験したことになる。
しかも序二段まで転落しての大関復帰、さら
に横綱まで極めたのである。こんなストー
リー、小説家・漫画家・脚本家はとても書け
ない。書いたとしてもリアリティがなさすぎ
ると批判を浴びる。しかし、大相撲ではその
奇跡のドラマが実現したのである。
その照ノ富士は三月場所、五月場所で連続
優勝した。これで15場所連続優勝なしの記録
に終止符がうたれた。なお、15場所連続優勝
は11人の力士によってなされた。照ノ富士
自身も含まれている。
乏しかったのが新入幕である。一月場所の
翠富士と七月場所の一山本だけである。その
2人も十一月場所は十両だった。もっとも
一山本は来年の一月場所で再入幕が予想され
ている。また若元春、王鵬が新入幕を果たし
そうである。朝青龍、白鵬のように2場所で
十両通過というケースはさすがに見なくなっ
た。
2021年も休場者は多かった。新型コロナウイ
ルス感染で部屋ごと休場がどうしても休場者
を増やすことになる。2021年は次のように
なった。
横綱6 大関4 幕内関脇以下24 十両23
この中には出場停止を含んでいる。計57人で
ある。最多休場場所は一月場所の18人である。
なお2020年は以下である。
横綱8 大関3 幕内関脇以下16 十両6
今年関脇以上での対戦が幻になったケースが
多かった。
5月 大関正代対大関照ノ富士
9月 大関正代対大関貴景勝
大関正代対関脇御嶽海
11月 横綱照ノ富士対大関正代
大関貴景勝対関脇御嶽海
正代は4回も登場している。これは取組編成
の失敗である。下位で勝ち上がった力士を
横綱・大関と対戦させるのが遅すぎることが
原因である。このことがまるでわかっていな
い。だから同じ過ちを繰り返す。2022年も
同じことがおきるようでは救いようがない
愚かさを露呈することになる。
今年の興行は無事終了した。新型コロナウイ
ルスは新種が騒ぎとなっている。3回目の
ワクチン摂取も取りざたされている。2022年
も年6場所開催されることを願うばかりで
ある。
緊張とスキのない日々からの開放の日です。
興味深いテーマをこれからもお届けします。