照ノ富士が横綱として九月場所、始めての
場所を迎える。そのとき照ノ富士は約29歳
10カ月になる。これは横綱が実質地位化した
常陸山以降の東京横綱ではどの変に位置する
のだろうか、調べてみた。なお、横綱デビュ
ー場所中に誕生日を迎える場合はその年齢を
採用した。それが以下である。
大鵬が横綱として初めて登場した場所、約21
歳6カ月であり、照國の24歳を大きく破る
記録であった。大鵬は入幕したときから将来
の横綱候補であった。入幕から11場所を要し
て最高位に達した。この記録を抜いたのが
北の湖である。急成長した北の湖は関脇で
初優勝すると大関に昇進。大関3場所を要
して約21歳4カ月、最年少で横綱初の場所を
迎えている。大鵬が大関5場所かかったこと
が差となって表れている。
優勝回数が多い横綱はやはり、若くして横綱
になっている。白鵬、貴乃花、朝青龍の横綱
デビュー場所年齢は、わずかの差である。
白鵬の場合、朝青龍が立ちふさがっていた。
貴乃花の場合は2場所連続優勝が絶対の時代
で立派な成績をあげながら苦労する結果と
なった。朝青龍の場合は対抗できる力士が
いなく、大関3場所で横綱にかけあがって
いる。なお、柏戸は横綱デビュー場所直後に
23歳になっている。柏戸はケガが多過ぎた。
「柏戸の体は瀬戸物か」と時津風(元双葉山)
理事長は嘆いていた。
番付のまんなかに位置しているのが3代目
若乃花である。これより前に東西制の横綱
として大錦、栃木山、常ノ花が位置している。
照ノ富士は真ん中より9人下である。今年の
十一月場所後には30歳になる。時代を築いた
栃錦(29歳11カ月)・若乃花は30にして立つ
というところか。年6場所制では考えにくい。
栃錦は柏戸・大鵬には1度も負けなかった。
「柏戸・大鵬といってもあの当時はまだ子供
だもの」と一蹴していた。
年2場所東西制の横綱常陸山は30歳で横綱
最初の場所を迎えている。同じく太刀山は
なんと33歳をすぎてから横綱になっている。
それでいてとてつもなく強かった。人によっ
ては雷電か太刀山が古今強豪ナンバーワン
としているくらいである。2代目西ノ海は
36歳を過ぎてからの横綱である。これが最年
長横綱記録である。現代なら考えられない。
大学出身の力士では21歳、22歳の横綱はあり
えない。大相撲に早く入門して稽古すれば
こその結果である。
猛暑にダウン。
興味深いテーマをこれからもお届けします。