大相撲

あいまいさを残したままの協会

日本相撲協会は2014年1月に公益財団法人に
移行した。そのとき年寄株の金銭授受や借株
は禁止された。しかし、現状は指導料、顧問
料で高額取引されているし、借株も存在する。
これでは規定はあってないようなものである。
春日山の年寄株をめぐっては元濱錦と協会を
退職した元春日富士の間で裁判になったこと
がある。その結果、元濱錦が元春日富士に
1億7160万円支払う判決がでた。年寄株問題
は公益財団法人の根幹となる問題であるはず
だ。

<元濱錦>

2018年4月、舞鶴巡業で舞鶴市長が挨拶中に
土俵に倒れて動かなくなったことがあった。
この緊急事態に土俵に駆けつけ応急処置を
ほどこした中に女性が何人か含まれていた。
女性は心臓マッサージを開始。場内アナウン
ス担当の行司は周囲の声もあり、「女性の
方は土俵を下りてください」とアナウンスを
連呼したのである。

八角(元北勝海)理事長が声明をだした。
応急処置をしてくれた女性には深く感謝し、
場内アナウンスは人命に関る状況では不適切
な対応という趣旨を述べ、謝罪した。しかし、
女性が土俵にあがれない現実は続いている。
断髪式で女性は土俵下ではさみを入れている。
問題はその理由である。いまだ理由が明らか
にされていない。

<土俵下の断髪式>

相撲は神道と結びついていただけに、土俵は
神聖な場所であるとみなされた。裏をかえせ
ば女性は不浄な者とされた、とは口が避けて
もいえまい。伝統、しきたりだとすればいつ
どのような理由によるものか。明らかにしな
いのはごまかしである。

今年(2021年)の4月、大相撲の継承発展を
考える有識者会議が提言書を提出した。上記
の問題にはふれず、打ち出してきたメイン
テーマは一代年寄は根拠が見出せなかった、
というモノだった。廃止ではなく、制度その
ものがなかったと有識者会議は説明した。
しかし、誰が見てもあからさまに白鵬を狙い
撃ちしたモノとしか映らなかった。

<白鵬>

これを受けて相撲協会はどう対応するのか、
未だ回答が出ていない。44回優勝の白鵬の
終焉が近づいている。一代年寄、反対なら
反対でその理由とともに明確にすべきである。
なしくずしのまま、あいまいにことを進める
のは、協会のいいかげんさを浮き彫りにする
だけである。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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