大相撲

優勝した場所の前と後の負け越し7

■若三杉
・優勝した翌場所負け越し22例目
昭和35年五月場所、前頭4枚目の若三杉は
初日大関若羽黒敗れたものの、その後連勝を
重ね、14勝1敗で優勝した。横綱栃錦が引退
した場所であり、その栃錦からの不戦勝が
あった。横綱朝潮にも勝利している。この
場所は横綱若乃花、平幕下位の若秩父が13勝
2敗と花籠(元大ノ海)部屋勢が大活躍した
場所でもあった。若三杉は期待された逸材
ではあったが、なかなか大関になれなかった。
ゲンを担いで昭和37年九月場所より大豪に
改名したものの、関脇で終わっている。優勝
の翌場所は7勝8敗で負け越している。

<若三杉のブロマイド>

■佐田の山
・優勝した前場所負け越し11例目
・優勝した翌場所負け越し29例目
昭和36年五月場所、上位は総崩れあった。
横綱朝潮1勝もできずに途中休場、横綱若乃
花10勝、大関柏戸10勝、大関大鵬11勝であっ
た。さらに大関琴ヶ濱5勝と負け越し、大関
若羽黒8勝であった。優勝は入幕3場所目の
平幕下位の佐田の山であった。成績は12勝
3敗であった。ただし、横綱・大関戦はただ
の一番もない。11勝をあげた関脇北葉山戦も
なかった。佐田の山の3敗には十両優勝した
清ノ森に負けた一番があり、幕内優勝者は
十両優勝者より弱いといわれた。佐田の山は
前場所全休していた。

<佐田の山>

佐田の山は優勝を6回しているが、5回目、
6回目で連続優勝している。もっとも5回目
の優勝は横綱大鵬が優勝のトップを走って
いたが、13日目から休場するという棚から
ぼたもち優勝であった。連続優勝した佐田
の山は翌場所の昭和43年三月場所、序盤で
3敗するとあっさり引退してしまった。3敗
のなかには入幕2場所目の新鋭高見山の敗戦
があった。早目に引退したのは義父であり、
師匠である出羽海(元出羽ノ花)から帝王学
を学ぶためではとささやかれた。

■柏戸
・優勝した前場所負け越し12・14例目
・優勝した翌場所負け越し25例目
柏戸は横綱直前の5場所前の優勝があるだけ
だった。大鵬と抱き合わせで横綱になった
ものの、優勝のない日々が続いていた。柏戸
の相撲は前褌を取って走るのである。出る
力士はいるが、柏戸は走るのである。その
相撲に大鵬は苦戦していた。優勝は大鵬、
柏鵬戦は柏戸といわれた時期があった。ただ、
柏戸の相撲は勢い余って土俵下に転落し、
ケガで休場が多かった。昭和38年一月場所
からは4場所連続休場であった。大鵬は6連
覇を達成し、優勝は11回に達していた。柏戸
苦悩のときであった。

<柏戸>

昭和38年九月場所、休場あけの柏戸は初日
から連戦連勝。豊山、佐田の山、栃ノ海、
北葉山、栃光の5大関を撃破して14勝同士で
千秋楽横綱大鵬と対戦することになった。
この一番、大鵬は両腕をクロスしてもろざし
を狙うが、柏戸は委細構わず、出足で圧倒し、
正面土俵に大鵬を寄り切った。柏戸涙の全勝
優勝であった。前回の初優勝から実に15場所
が経過していた。作家の石原慎太郎氏がこの
一番は八百長と指摘し、協会が告訴する騒ぎ
となったが、和解している。

柏戸は5回優勝しているが3回目の優勝の
翌場所は1勝1敗13休で途中休場している。
その翌場所である昭和41年一月場所に4回目
の優勝を果たしている。柏戸の優勝間隔で
最も期間が短い優勝であった。

■富士錦
・優勝した前場所・翌場所負け越し6例目
昭和39年七月場所、横綱は総崩れであった。
栃ノ海前半で4敗しての11勝。大鵬は序盤で
途中休場、柏戸は全休であった。大関では
豊山が13勝、北葉山・栃光が12勝であった。
優勝は前頭9枚目14勝1敗の富士錦であった。
しかし、横綱・大関戦ゼロの低価値優勝で
あった。実質的トップは豊山であった。富士
錦は前場所前頭5枚目で5勝10敗と大敗して
いた。横綱戦1敗、大関戦2敗の部分対戦で
あった。優勝した翌場所は小結に昇進したが、
4勝11敗とまたもや大敗している。横綱戦
2敗、大関戦1勝3敗であった。

<富士錦>

(この項目続く)

頻発する東北の地震が心配です。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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