大相撲

鶴竜の相撲人生4

2014年一月場所、鶴竜は初日隠岐の海に負け
ただけで連戦連勝。この場所は横綱日馬富士
が全休で、横綱白鵬は通常なら千秋楽東大関
稀勢の里と対戦するところである。ところが
稀勢の里は負けが込んでいた。事実千秋楽は
休場して不戦敗で8敗目となった。優勝争い
を重視して千秋楽は白鵬対鶴竜が組まれた。
白鵬14戦全勝、鶴竜1敗で激突することに
なった。鶴竜が大関になって11場所目、初め
ての優勝争いであった。

<本割で白鵬を取り倒した鶴竜>

本割 両者立ちあがって右四つにいく白鵬、
左まきかえにいく鶴竜。許さない白鵬。一度
右四つになったが、鶴竜右に回りこんで離れ
る。再度四つにいくとき鶴竜左差しから左四
つ。さらに右ざしともろざしになり、一気に
西土俵に寄り立て、寄り倒しで圧倒した。
白鵬の敗因はこれしかないという鶴竜のもろ
ざしを許したことにある。

優勝決定戦 前日から鶴竜が優勝した場合の
優勝パレードのコースが関係者で検討されて
いた。しかし、館内の雰囲気は白鵬の優勝が
圧倒的であった。決定戦、立ち合いはさし手
争い。制したのは白鵬。不十分の左四つだが、
上手は手前のいい位置を取る。鶴竜上手取れ
ず、白鵬寄り立て優勝を決めた。

<優勝決定戦で白鵬が勝利>

続く三月場所、鶴竜は3日目またも隠岐の海
に敗れた。だがその後は敗戦を引きずらず
勝ち続けた。だが、横綱白鵬・日馬富士は
全勝で勝ち進んでいた。12日目、1敗鶴竜は
全勝日馬富士と対戦した。相撲はあたりあっ
たあと、鶴竜がいなして泳いだ日馬富士を
赤房下に送り出した。13日目、白鵬、日馬
富士ともに敗れて白鵬1敗、日馬富士2敗と
なった。

<日馬富士を送り出し>

14日目、鶴竜は1敗同士で白鵬と対戦した。
この一番、鶴竜は戦法を変えた。突き、のど
輪で白鵬を攻めたてた。白鵬後退しながら
右へまわり込む。鶴竜追撃して左上手いい
ところを取り、食い下がる体勢をつくった。
白鵬の右下手は窮屈な体勢となる。左上手は
取れない。その体勢がしばらく続く。鶴竜
前に出て、東土俵に白鵬を寄り切った。

<白鵬を倒して単独トップに>

鶴竜は千秋楽も勝って初優勝を達成した。
同時に横綱も手中にした。優勝なしで双羽黒
を横綱にした反省からかそれ以降の横綱は
旭富士から日馬富士まで連続優勝で横綱に
昇進していた。しかし、それが鶴竜でくず
れた。

初優勝だけで横綱にしていいのか。という
問題点は提起されてしかるべきである。それ
とともに横審の横綱推薦基準の第1項「品格
力量抜群」につながる基準として5場所間の
安定性、時代を築けるだけの力量判断が必要
である。横審はこれまでも弱い横綱、物足り
ない横綱を誕生させてきた。これでは自ら
権威を失墜させていることになる。

<初優勝した鶴竜>

(この項目続く)

写真を整理しました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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