2020年は五月場所が中止となって、残すとこ
ろ1場所となった。九月場所で4場所を終え
た年間最多勝レースはどう変化しただろうか。
4場所までの途中経過をまとめてみた。それ
が次の表である。なお、対象は4場所幕内に
在位した力士とさせていただき、単なる数字
の比較ではなく、横綱大関の対戦率によって
クラスわけさせていただいた。
横綱は休場が多く、年間最多勝には当然なが
ら無縁である。大関以下に絶対的強者はいな
い。3場所までトップだった大関朝乃山が
43勝17敗で2位に後退した。トップとなった
のは九月場所の優勝者正代である。45勝15敗
で2勝差をつけた。1場所平均11.25勝で
ある。40勝以上は2人しかいない。年間最多
勝は正代か朝乃山の可能性が強くなった。
ただ、1場所平均12勝の60勝には両力士とも
届きそうもない。
横綱・大関と最も対戦した力士は遠藤である。
横綱戦3勝3敗、大関戦2勝5敗であった。
1番差で大栄翔と北勝富士が続いている。
白鵬と鶴竜の出場数は以下である。一月場所
の数番に遠藤、北勝富士はからんでいる。
全体的には休場だけでなく横綱・大関の数が
少なかった時期もあり、横綱・大関の対戦率
は下がっている。
白鵬 3番+不戦敗-フル出場-12番+
不戦敗-全休
鶴竜 4番+不戦敗-フル出場-1番+
不戦敗-全休
正代、朝乃山に続くのが37勝13敗の隆の勝で
ある。地力をつけてきた。逞しくなってきた。
それだけに面白い存在になってきた。次が
36勝24敗の御嶽海である。大関昇進はまった
く読めず、いろいろ批判はあるが、御嶽海は
やはり実力者である。関脇以下では最強で
ある。大栄翔はAクラスで勝ち越している。
北勝富士は五分である。両力士とも最後の
場所が大事になる。
まだ若手の台頭というほどの動きはみえて
こない。人気の炎鵬ももう一つである。横綱・
大関との対戦がまったくない力士が6人いる。
最後の場所も対戦はなさそうである。ベテ
ランの琴奨菊と石浦は次の場所は十両濃厚で
ある。
年間最多勝レースはいよいよ最終場所、十一
月場所を残すのみとなった。しかし、どこか
力がはいりにくいにくいのは、ここ数年の
傾向であることは確かである。
疲れがたまっています。
興味深いテーマをこれからもお届けします。