1勝4敗とカド番の豪栄道が玉鷲相手に前に
出て下から押し上げて勝った。連日苦戦、
こわごわ取っている相撲がある中で、今場所
最もいい相撲だった。これがきっかけになる
か。とにかく1日1番なのだから、白星を
地道に積み重ねていくしかない。
明日7日目は全勝の正代である。正代は全勝
といっても役力士とは高安しか対戦していな
い。豪栄道が勝てば弾みがつくが、敗れると
深みにはまりそうである。豪栄道はこのあと
貴景勝、朝乃山、高安、阿炎戦を残している。
場合によっては下位の好成績者との対戦も
あり得る。一戦必勝、勝ちにいくしか道は
ない。
大関復帰を目指す高安は2勝4敗と、10勝は
かなりハードルが高い。ここのところ2019年
五月場所で栃ノ心、九月場所で貴景勝が10勝
以上して復帰した。だから高安にもそのムー
ドがなきにしもあらずであった。
大関を降格した場所で10勝以上の成績をあげ
た場合復帰できる規定は昭和44年七月場所
からスタートした規定である。昭和33年から
昭和44年五月場所までは、大関は3場所連続
負け越しで降格していた。これでは甘すぎる
と昭和44年七月場所から2場所連続負け越し
で降格という規定に戻された。そのとき付帯
条件として、降格した場所で10勝以上の成績
の場合大関に復帰できる規定ができたわけで
ある。
復帰できた大関はどれくらいいるのか。それ
が下である。○が復帰、●が失敗である。
前の山●
大受●
魁傑(1回目)●
三重ノ海○
魁傑(2回目)●
琴風●
霧島●
小錦●
貴ノ浪(1回目)○
貴ノ浪(2回目)●
武双山○
出島●
雅山●
栃東(1回目)○
栃東(2回目)○
千代大海●
把瑠都●
琴欧洲●
琴奨菊●
照ノ富士●
栃ノ心(1回目)○
貴景勝○
栃ノ心(2回目)●
7復帰、16失敗。これをみる限り失敗のほう
が、はるかに多いのである。高安の大関復帰
は遠い道のりというほかない。一番よくない
のは、あきらめ相撲である。あきらめたら
そこで勝負は終わってしまう。今の高安でも
存在感を示すことはできる。それは優勝争い
の力士を引きずりおろすことである。高安の
あたり、前に出る圧力相撲を、気持ちを新た
にみせていただきたい。
混戦・波乱の中の苦戦者達にもう一つの見所
として、スポットをあててみた。
【大相撲写真館】