大相撲

59年前の大関昇降基準アンケート

2018年8月10日

九月場所、御嶽海の大関取りが見所になる。
最近は3場所33勝以上が大関の目安とされて
いるが、これは相撲協会が公式に打ち出して
いる見解ではない。つまり大関昇進には、
はっきりとした基準はないわけである。また、
大関は横綱と違い、適格者がいなければ欠い
てもいいということにはならない。
180722千秋楽表彰 1155
<七月場所優勝した関脇御嶽海>

昭和34年、今から59年前の専門誌大相撲(読
売新聞社刊)九州場所特集号には各界アンケ
ートとして「大関の昇降基準」という企画が
掲載されている。マスコミ、相撲愛好家、
企業人、将棋・講談・政治家など各界の著名
人計49人が答えている。相撲愛好家の会と
してマニアックな方の集まり相撲趣味の会
からもアンケートに加わっている。この会は
現在もあるが、名前を聞く機会があまりなく
なっている。主な意見を集約してみた。

◆大関昇進に関して
●3場所連続関脇を保ち、その間平均11勝
以上。優勝なら関脇1場所でもいいが、準
優勝なら2場所はみるべきだ。
●大関は最高に近い地位なので、少なくても
10勝、11勝する力をもたなければ意味がない。
そこで関脇・小結連続4場所以上、勝率6割
6分7厘以上の成績をおさめることである。
●1.関脇で連続3場所以上勝ち越すこと。
2.大関昇進前2場所で12勝(11勝でも条件
次第で可)以上を続けること。3.関脇2場
所で推薦のときは23勝以上(直前の場所は
13勝以上、1場所のときは14勝以上)

●関脇か小結で優勝か準優勝した場合にはじ
めて、推薦資格をありとしたい。そして有
資格者を慎重に検討する。このように昇進
規定を慎重にして、はじめて特権を与える
価値がある。
●番付上不可欠の大関のこととて、昇進基準
を機械的に定める必要はない。たとえば大関
陣が充足されていればおそらく見送られたで
あろう今回の若羽黒の場合は、片大関の現状
ではむしろ昇進は当然と思われる。

数字で示された方、審議に重きをおく方、
現状のままでいいという方がいた。一番多い
方は数字による基準であった。その場合、
3場所33勝よりはるかに厳しい内容が多かっ
た。
大相撲
<若羽黒が表紙の大相撲(読売
新聞社刊)>

◆降格に関して
昭和33年、年6場所制にともなって大関の
降格は、2場所連続負け越しから3場所連続
負け越しに変更した。アンケートは以下の
結果となった。
3場所負け越し…17人
2場所負け越し…15人
1場所負け越し…3人
ほか…7人
見解判定できず…4人
無回答…3人

制度が始まって間もないせいか、3場所連続
負け越し大関降格が多かった。2場所負け
越しも急接近している。ほかとしては以下の
意見があった。
・3場所通算30勝以下
・大関の勝率が5割をきった場合
・10勝未満は大関の待遇をはずす
・3場所間全勝ち越し以外で10勝未満があっ
たとき
・6場所間に勝率5割をきった場合

大関の昇降は昔から様々な議論を生んでいる。
そこには現在の規定がはたしていいのか否か
を考えさせてくれる。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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