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59年前の大関昇降基準アンケート

九月場所、御嶽海の大関取りが見所になる。
最近は3場所33勝以上が大関の目安とされて
いるが、これは相撲協会が公式に打ち出して
いる見解ではない。つまり大関昇進には、
はっきりとした基準はないわけである。また、
大関は横綱と違い、適格者がいなければ欠い
てもいいということにはならない。
180722千秋楽表彰 1155
<七月場所優勝した関脇御嶽海>

昭和34年、今から59年前の専門誌大相撲(読
売新聞社刊)九州場所特集号には各界アンケ
ートとして「大関の昇降基準」という企画が
掲載されている。マスコミ、相撲愛好家、
企業人、将棋・講談・政治家など各界の著名
人計49人が答えている。相撲愛好家の会と
してマニアックな方の集まり相撲趣味の会
からもアンケートに加わっている。この会は
現在もあるが、名前を聞く機会があまりなく
なっている。主な意見を集約してみた。
◆大関昇進に関して
●3場所連続関脇を保ち、その間平均11勝
以上。優勝なら関脇1場所でもいいが、準
優勝なら2場所はみるべきだ。
●大関は最高に近い地位なので、少なくても
10勝、11勝する力をもたなければ意味がない。
そこで関脇・小結連続4場所以上、勝率6割
6分7厘以上の成績をおさめることである。
●1.関脇で連続3場所以上勝ち越すこと。
2.大関昇進前2場所で12勝(11勝でも条件
次第で可)以上を続けること。3.関脇2場
所で推薦のときは23勝以上(直前の場所は
13勝以上、1場所のときは14勝以上)
●関脇か小結で優勝か準優勝した場合にはじ
めて、推薦資格をありとしたい。そして有
資格者を慎重に検討する。このように昇進
規定を慎重にして、はじめて特権を与える
価値がある。
●番付上不可欠の大関のこととて、昇進基準
を機械的に定める必要はない。たとえば大関
陣が充足されていればおそらく見送られたで
あろう今回の若羽黒の場合は、片大関の現状
ではむしろ昇進は当然と思われる。
数字で示された方、審議に重きをおく方、
現状のままでいいという方がいた。一番多い
方は数字による基準であった。その場合、
3場所33勝よりはるかに厳しい内容が多かっ
た。
大相撲
<若羽黒が表紙の大相撲(読売
新聞社刊)>

◆降格に関して
昭和33年、年6場所制にともなって大関の
降格は、2場所連続負け越しから3場所連続
負け越しに変更した。アンケートは以下の
結果となった。
3場所負け越し…17人
2場所負け越し…15人
1場所負け越し…3人
ほか…7人
見解判定できず…4人
無回答…3人
制度が始まって間もないせいか、3場所連続
負け越し大関降格が多かった。2場所負け
越しも急接近している。ほかとしては以下の
意見があった。
・3場所通算30勝以下
・大関の勝率が5割をきった場合
・10勝未満は大関の待遇をはずす
・3場所間全勝ち越し以外で10勝未満があっ
たとき
・6場所間に勝率5割をきった場合
大関の昇降は昔から様々な議論を生んでいる。
そこには現在の規定がはたしていいのか否か
を考えさせてくれる。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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