大相撲

かけ離れている貴ノ岩と貴乃花の認識

2017年12月14日

貴乃花親方が協会の貴ノ岩の事情聴取に一向
に応じようとしない。「警察と検察を間違え
た」などという言い訳じみた発言で逃げまわ
っている。したことといえば、貴乃花部屋の
出入り口にテレビカメラをつけたことくらい
か。

警察に応じた貴ノ岩の事情聴取をなぜ協会
では拒否するのか。その謎を解くカギは、
十一月場所後におこなわれた横綱審議委員会
の会見にある。「親方の意志と関取の意志は
一致しているのだろうか。親方が力士一人の
行き先を決めていいのか」委員長の北村氏は
そう語っていた。
14日刊A
<日刊スポーツの記事>

貴ノ岩は、ケガのことは親方に隠そうとして
いた。そのため鳥取巡業にさえ参加していた。
また、日馬富士とは手打ちしていた。こう
した一連の行動から貴ノ岩は日馬富士に対し
て厳罰を望んでいたとはとても思えない。
それを貴乃花親方は、千秋楽の打ち上げパー
ティで「誰が被害者で誰が加害者か、正当に
裁きをしていただかなければならないのが、
巡業部長の責任」と発言している。

これはどうみても貴ノ岩と貴乃花親方の日馬
富士に対する認識はかけ離れている。だから、
貴ノ岩が協会に事情聴取されることは、貴乃
花親方との認識と違うことが、露見される
ことを意味する。貴乃花親方が自分の思惑
だけでこぶしをふりあげてきたことになる
のを避けるために、協会の貴ノ岩の事情聴取
を先延ばしにしていると考えれば、合理的な
説明がつく。
14ゲンダイ
<日刊ゲンダイの記事>

日刊ゲンダイによれば、貴乃花は八角(元
北勝海)体制をゆさぶり、ダメージを与える
ために弟子の事件を利用しているというので
ある。
1.鳥取県警に被害届けをだしながら、協会
に報告しなかったこと。
2.警察から連絡を受けた協会が貴乃花親方
に質すと知らないと答えたこと。
3.伊勢ヶ濱(元旭富士)と日馬富士の謝罪
を無視したこと。
4.協会首脳に「あなたたちのことは信用
できない」と宣告したこと。
5.協会理事であり、組織の一員でありなが
ら、極めて非協力的であること。
6.貴ノ岩の巡業休場の診断書を提出しない
こと。
7.鏡山(元多賀竜)の部屋訪問を何度も
門前払いしたこと。

貴乃花親方の一連の行動は、貴ノ岩と貴乃花
親方の認識の違いを露呈させないための手段
である。それとともに八角体制へダメージを
与え、追い落とすためと考えれば、すべて
辻褄はあう。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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