今場所10度目の満員御礼が下がる中、優勝に関る2番に
変化があった。
まず、1敗の新入幕逸ノ城対大関稀勢の里戦である。
この一番は逸ノ城が2度つっかけたというより稀勢の里の
立ちしぶりであったように見えた。この傾向は稀勢の里に
よく見かける。立ち合いの迷いかあるいは対戦相手を
立ち遅れさせるかけ引きか。どちらにしても感心しない。
3度目の立ち合いは逸ノ城が変化し、稀勢の里は変化に
対応できずに土俵に四つんばいになった。
次に1敗の横綱鶴竜対新大関豪栄道戦。今場所の鶴竜は
対戦相手を圧倒する強さを発揮していない。この日も例外
ではなかった。立った瞬間右に動いて豪栄道をはたき
込んだ。
ならないではないか。大相撲は序ノ口から幕内まで6
クラスある。幕内はそのなかでも最上のクラスである。
それが変化に対応できない立ち合いをしているようでは
最上のクラスの技術とはいえない。
立ち合いは足の位置をきめ、腰を割って下から押し上げて
相手の重心を浮き上がらせる。こうした立ち合いならば
少なくとも変化でばったりとはいかない。それどころか
実際の相手の重さより軽く感じる。立ち合いの瞬間、
観客は土俵上の2人の力士に息を飲んで目をこらして
集中する。その緊張感がほかのプロスポーツにほとんど
なく、観客を魅了させる。
実際の相手の重さより軽く感じる。立ち合いの瞬間、
観客は土俵上の2人の力士に息を飲んで目をこらして
集中する。その緊張感がほかのプロスポーツにほとんど
なく、観客を魅了させる。
※9日目に写真が入りました。あわせてご覧いただければ幸いです。