新入幕逸ノ城は6日間すばらしい相撲を取ってきた。
実力者の栃煌山、元三役の松鳳山を撃破という予想以上の
白星を重ねてきた。馬力のある千代鳳には1分30秒を
超える辛抱の相撲を取り、けして投げにはいかず、寄り
切った。
逸ノ城は入門5場所目の21歳。モンゴル出身、湊部屋
所属。199キロ、右四つ、寄りを得意とする。鳥取城北
高校に相撲留学し、卒業後は同校の相撲部のコーチを
務める。鳥取城北高校相撲部出身者は貴ノ岩、照ノ富士が
現役関取としている。逸ノ城自身は鳥取県体育協会所属
として、全日本実業団相撲選手権で優勝を果たした。
入門後は幕下2場所12勝2敗、十両2場所24勝6敗で
通過した。今場所は前日まで6連勝。そんな怪物を誰が
倒すかに注目が集まった。この日の対戦相手は勢である。
最近勢は出身地の大阪以外でも人気が高まっている。
逸ノ城を土俵際に追い込む。逸ノ城はこらえて、じっくり
腰をすえ、勝負はこれまでかと思われた。勢は上手が
取れない。おまけに鼻血で相撲が中断した状態でますます
不利かと思われた。再開後逸ノ城が上手投げにいった。
これで勢は体を入れかえ、左おっつけで上手を取って
上手投げで逸ノ城に土をつけた。
しても打ち返しをともなう。攻め方のミスであった。
逸ノ城がこの日の負けを戒めとしていけば今後も
期待できる。
大鵬の11連勝、最高成績は北の富士、陸奥嵐の13勝2敗で
あることを付記しておく。