まず触れられなかった13日目を振り返ってみよう。13日目は豊昇龍
が琴櫻の速攻の寄りに敗れるという思いがけない結果となった。豊
昇龍は連敗である。優勝争いトップだったが一転して暗雲が漂った。
豊昇龍に何がおきたのか。NHK解説の神風さんは「連敗するようでは
優勝できない」と語っていた。

安青錦対隆の勝は激しい一番になった。隆の勝の激しい突っ張り。
あてがう安青錦。気を見ていなして渡し込んだ。安青錦はこれで十
両から6場所連続2ケタ勝利を達成した。安青錦は看板力士的な存
在になってきた。

14日目はどうなったか。思いがけない情報が飛び込んできた。国技
館にいても耳にはいってくる。大関琴櫻が突然休場したのである。
最初まさかと思った。
前日の相撲ではケガをしたようにはみえなかった。ケガ以外となる
とスキャンダルなことかと頭をよぎった。だがやはりケガだという
ことであった。そのため対戦相手の大の里は不戦勝となり、13勝1
敗で千秋楽を迎えることになった。土壇場でなんともいえない光景
をみせられることになった。

こうなると2敗豊昇龍にかかってくる。14日目大の里の優勝が決ま
らないためには豊昇龍が勝つしかない。対戦相手は若隆景である。
ここまでの成績は6勝7敗である。連敗の後を受けて豊昇龍はどん
な相撲を取るか。
勝負は一瞬で終わった。豊昇龍の変化に若隆景はばったり手をつい
た。あまりのあっけなさに言葉を失った。しばらく放心状態に陥っ
た。豊昇龍は本当に変化しかなかったのか。

よくも悪くも豊昇龍は2敗に踏みとどまった。千秋楽は大の里との
1差決戦になった。両横綱の決戦はどうなるか。1差は大きい。精
神的余裕で大の里有利は否めない。大の里のパワーは豊昇龍の負け
ん気を粉砕する可能性がある。