IGアリーナに慣れたと聞かれても「まだ3日目分の慣れです」と
しか答えようがない。3日目はパンフレットの販売場所を案内係に
尋ねた。「入り口に置いてありますが」の答えに思わず首をかしげ
た。案内係が取り出したのは観戦ガイドブックであった。「いや、
力士紹介の冊子で、親方売店で販売されています」で誤解を解いた。
親方売店は1階である。目印がないなか、ようやく辿り着いた。そ
こがビッグスペースで親方売店だけでなく、ちゃんこを食べるテー
ブルが用意されていた。親方売店は11時からだが、10時50分に着い
たときはすでにオープンされていた。相方の分を含め2冊パンフレ
ットを購入した。ビッグスペースを出て会場に入ると正面と西の境
目の通路に出た。

新会場、チケット完売と相撲景気好調のなか、大相撲は怪しくなっ
てきた。大関琴櫻はベテラン高安と対戦した。組み手争いとなった
一番は左四つ。高安上手取れず。琴櫻はさみつて攻めるが高安上手
となった右から出し投げで決めた。琴櫻は強さが身についていない。
このまま弱い大関に終始するのか。
豊昇龍は新鋭安青錦と激突した。館内から「豊昇龍、今日は負けら
れないぞ」と声援が飛ぶ。その反面「安青錦がんばれ」の複数の声
援も聞こえた。豊昇龍、左上手とって振りまわすと、下から入った
安青錦が残しながら渡し込みを決めた。豊昇龍は腰からくずれた。

豊昇龍は早くも2敗となった。しかもまた金星を与えてしまった。
豊昇龍の今後が心配である。早めに3敗したら休場が考えられる。
場所が一気に盛り下がる。千秋楽結びの一番が大の里対琴櫻になっ
てしまう。そうならないためにも豊昇龍には必死さが求められる。
大の里は豊昇龍に勝った若元春と組まれた。大の里の圧力に回り込
んだ若元春。だが、それがせいいいっぱいだった。バランスをくず
して両手をついた。相撲はいかに自分の力が発揮できる体勢をつく
るかを競う競技である。大の里は自分の相撲を取り切っている。
