東西に横綱がそろったことで新たな時代が始まるという見方がある。
豊大時代とか大豊時代とかいう呼び名が先行している。しかし、豊
昇龍は直前3場所33勝で横綱になった経緯がある。これはどうみて
も横綱の力量ではない。つまり豊昇龍は地位だけ横綱の状態である。
地位だけ横綱状態の成績は以下である。
5勝5敗5休
12勝3敗
12勝3敗は優勝次点である。
ただし、優勝争いはできていない。豊昇龍が達成しなければならな
いことが3つある。

まず、優勝レベルである。これまで優勝は2回あるが、いずれも12
勝3敗である。これを13勝あるいは14勝にレベルアップすることで
ある。豊昇龍はどうしても取りこぼしが目立つ。これを解消するこ
とから始めなければならない。大の里はすでに達成している。
次に連続優勝を達成することである。単発優勝はしょせん一時的な
ものである。横綱で連続優勝した力士は大正15年の公式優勝制度以
降次である。
常ノ花
玉錦
双葉山
羽黒山
照國
千代の山
初代若乃花
大鵬
佐田の山
北の富士
玉の海
輪島
北の湖
三重ノ海
千代の富士
曙
貴乃花
武蔵丸
朝青龍
白鵬
鶴竜
照ノ富士
宮城山から照ノ富士まで45人中22人が達成者である。大関時代の連
続優勝、大関横綱での連続優勝は対象外とした。

最後は年間最多勝である。横綱なら年間72勝が欲しい。1場所平均
12勝である。新横綱の場所は休場した。その翌場所から1年間の成
績が問われる。豊昇龍の横綱力量証明への試練は続く。