大の里の優勝、横綱昇進にわく大相撲界。そのなかですっかり忘れ
られた存在になった琴櫻。大阪場所では千秋楽に大の里と対戦した。
しかし、筆者の見方は万に一つも琴櫻に勝ち目はないと思っていた。
そして結果はその通りになった。

琴櫻が12勝以上の成績をあげたのは関脇時代の13勝と大関で優勝し
た14勝のみである。これ以外は優勝争いをしていない。大関の成績
は8場所74勝46敗である。1場所平均9.25勝である。10勝に届いて
いない。
現在27歳。11月には28歳になる。時間はあるようでない。横綱はと
もかく祖父琴櫻の優勝5回に迫りたい。存在感を示したい。五月場
所、優勝争いは珍しくなかった。そんなときこそ琴櫻は割り込みた
い。

五月場所、技術的には上手が取れないときが気になった。巻きかえ
にいくのである。これが、スピードがないだけに相手に出られる。
その点北の海の巻きかえは速かった。相手がつけ込む余地がなかっ
た。
現在横綱・大関はわずか3人しかいない。すぐに大関は誕生しない
状況である。特に若くて勢いのある大関は。琴櫻に求められるモノ
は積極的な攻め、あきらめない取り口である。琴櫻が活躍しないと
場所は盛り上がらない。