パリオリンピックが閉会した。メダルは海外開催では最多だという。
結果を残した選手は賞賛されて当然である。それとは別に気になっ
た競技があった。男子バレーボールである。
試合は予選1勝2敗、トーナメントは1敗であった。その試合内容
は勝てそうで勝てない。あと1点なのに勝てない。これは男子バレ
ーボールが相手よりちょっとだけ弱いということである。そうとら
えると納得がいく。
女子卓球団体の決勝中国戦でも惜しい場面があった。第一試合のダ
ブルスはかなり中国を追いつめた。これも相手よりちょっとだけ弱
かった。妥当中国!これに本気で取り組めば日本の女子卓球はいっ
そう強くなる。
大横綱双葉山は年2場所の昭和戦前戦中時代12回優勝と69連勝を達
成した。それだけではない。相手が立てばいつでも立つ立ち合いを
した。双葉山が超人的強さの力士かというと必ずしもそうは言えな
かった
元栃木山の春日野は双葉山をこう見ていた。「双葉山は誰と取って
も相手よりちょっとだけ強い」と評した。ちょっとだけ強ければい
つも勝ち、それが続けば連勝につながるわけである。双葉山自身も
こう語っている。「私の場合、格段の差を一度も感じたことはあり
ません」
双葉山に傾倒し、相撲を見る基準を双葉山においた小坂秀二氏は言
う。「双葉山の求めたものは、相手から得られる勝利でもなく、ま
して観衆の賞讃でもなかった。言うなれば、相撲を通じての自己形
成への努力であろう」偉大なりし双葉山。