一月場所11勝、三月場所12勝優勝をなし遂げた霧馬
山の大関昇進は五月場所に持ち込まれた。大関は貴
景勝一人である。こういうときは過去において甘い
成績でも大関に昇進させたケースがあった。若羽黒、
北の富士、琴風などがそうである。
しかし、近年大関は3場所通算33勝目安が定着して
きている。霧馬山は3場所31勝である。しかも三月
場所は関脇以下だけの成績である。もっともこれは
霧馬山の責任ではない。
五月場所霧馬山は10勝で3場所33勝となる。昇進直
前10勝だった力士は4人いる。北の富士、貴ノ花、
稀勢の里、貴景勝である。稀勢の里は千秋楽を迎え
る前に大関が決定していた。千秋楽負けて10勝5敗
になった。10勝は数字あわせであって、霧馬山には
文句なしにあがっていただきたい。
大関昇進の成績はいいにこしたことはない。初代若
乃花は、内容はいいが、星が足りない、と言われた。
若乃花を大関に押し上げたのは、横綱千代の山との
17分に及ぶ死闘で引き分けたことである。先人の大
関はどのような成績で大関に昇進してきたのか。
それが以下である。
年6場所制なので、いちおう5場所前からの成績を
出してみたが、事実上そこまでさかのぼることはな
い。3場所だけを対象とするのが通常の見方である。
数字は両方だしてみた。また、昇進3場所の成績と
大関昇進後の成績に関連性はない。
さらに、近年は元大関が多すぎる。大関にあがった
後こそ大切である。大関は三賞がもらえない。それ
は優勝争いをする立場であることを意味する。霧馬
山にはそういう大関になっていただきたい。