入幕したら、力士の次の目標は小結・関脇に
昇進することである。関脇を実に味のある
地位と言った方がいる。努力しだいでは誰
でも到達できる地位であると。大関以上と
なるとプラス別の要素が必要になると語って
いた。現在幕内力士は42人である。横綱・
大関を含め、関脇あるいは小結に到達した
力士は23人である。約55%である。
最高位関脇といっても1場所と10場所では
段違いである。そこで幕内力士の関脇・小結
の在位数を調査し、番付を作成してみた。
七月場所の関脇若隆景・大栄翔、小結豊昇龍・
阿炎はほぼ確定しているため、それを加えた。
その結果、現代関脇・小結在位数番付は以下
になった。
断然トップは御嶽海の28場所関脇・小結在位
数である。なにしろ御嶽海は17場所連続関脇・
小結在位及び10場所連続関脇・小結在位の
記録の持ち主である。御嶽海の関脇以下の
幕内在位は37場所である。そのうち28場所が
関脇・小結である。関脇・小結在位率76%
という驚異的な数字になる。大関に昇進する
前は、御嶽海こそ関脇以下最強であった。
次が高安の13場所関脇・小結在位数である。
高安は大関昇進前関脇4場所、小結2場所で
あった。大関降格後は関脇3場所、小結4
場所である。大関の座を去っても関脇・小結
級の実力はあったことになる。高安優勝待望
論がある。絶対的強者が不在の場所こそチャ
ンスである。
玉鷲は遅咲きの力士である。入幕から38場所
かかって小結に昇進した。30歳のときである。
32歳のときには6場所連続関脇・小結に在位
している。2019年九月場所より関脇・小結
から遠ざかっている。ただ、相撲は37歳に
なった今も若々しい。もう1度関脇・小結に
返り咲くことができるか。
遠藤、豊昇龍、阿武咲、北勝富士、千代大龍、
霧馬山は小結が最高位である。若い豊昇龍、
阿武咲、霧馬山は今後チャンスがある。ベテ
ラン遠藤はワンチャンスをいかせればという
条件つきである。勢いが失われた北勝富士は
苦しい。上位に上がることがなくなった千代
大龍は現状のままの恐れがある。
前頭が最高位の力士のなかでめきめき力を
つけてきた琴ノ若が新小結・新関脇の有力
候補である。続くのは果たして誰になるか。