五月場所が終了したことで、今年(2021年)
の本場所は半分消化したことになる。年間
最多勝レースはどのように展開しているのか。
3場所までの途中経過をまとめてみた。それ
が次の表である。なお、対象は3場所幕内に
在位した力士とさせていただき、単なる数字
の比較ではなく、横綱大関の対戦率によって
クラスわけさせていただいた。
大関復帰を果たし、連続優勝した照ノ富士が
35勝10敗で断然トップである。30勝以上は
照ノ富士だけである。照ノ富士の充実度を
表している。ここ4年、間最多勝利力士は
以下である。
2017年 白鵬 56勝
2018年 栃ノ心59勝
1019年 朝乃山55勝
2020年 貴景勝51勝 ※5場所
1場所平均11勝にも達しないほど低レベル
であった。群雄割拠ではなく、どんぐりの
背比べだ。こんなことが5年も続いていい
わけがない。それだけに照ノ富士には久々に
70勝レベルの年間最多勝を期待したい。年間
優勝も3回以上達成していただきたい。
次点は高安の29勝16敗である。照ノ富士とは
現時点で6勝差がある。照ノ富士がフル出場
する限り、これを逆転するのは容易ではない。
朝乃山は照ノ富士に負け、照ノ富士は高安に
負ける。そして高安は自分に負ける。高安は
今のままでは大関に復帰はできない。
大関朝乃山の出場はないから年間最多勝レー
スから自動的に脱落となる。大関正代は27勝、
大関貴景勝は24勝である。正代は1場所平均
9勝、貴景勝は8勝である。後半3場所、
よほど奮起しないと大関の面目は丸つぶれに
なる。
成長著しい若隆景は一月場所の全休が痛い。
これさえなければというところだが、九重勢
や魁聖も同様である。新型コロナウイルスに
よる休場でやむをえないこととはいえ、活躍
の場が奪われることはまことに惜しい。
それにしても現時点で白鵬が最下位とは、
時の流れを感じる。白鵬は潮時を誤ったの
かもしれない。
蒸し暑くなってきました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。